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April 12, 2012 Vol. 366 No. 15

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内視鏡的逆行性胆管膵管造影後膵炎の予防におけるインドメタシン直腸内投与の無作為化試験
A Randomized Trial of Rectal Indomethacin to Prevent Post-ERCP Pancreatitis

B.J. Elmunzer and Others

背景

予備的研究から,非ステロイド抗炎症薬の直腸内投与により,内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)後膵炎の発生率が低下する可能性があることが示唆されている.

方 法

多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験において,ERCP 後膵炎リスクの高い患者を,ERCP 直後にインドメタシンを単回直腸内投与する群とプラセボを投与する群に割り付けた.患者が高リスクにあるかどうかは,妥当性の検証されている患者関連危険因子と手技関連危険因子に基づいて決定した.主要転帰は ERCP 後膵炎とし,新たな上部腹痛,手技後 24 時間の膵酵素の正常範囲上限の少なくとも 3 倍への上昇,2 泊以上の入院と定義した.

結 果

602 例を登録し,追跡調査を完了した.大半の患者(82%)は臨床的にオッディ括約筋機能不全が疑われた.ERCP 後膵炎は,インドメタシン群 295 例中 27 例(9.2%),プラセボ群 307 例中 52 例(16.9%)に発生した(P=0.005).中等症~重症の膵炎は,インドメタシン群で 13 例(4.4%),プラセボ群で 27 例(8.8%)に発生した(P=0.03).

結 論

ERCP 後膵炎の高リスク患者において,インドメタシン直腸内投与により ERCP 後膵炎の発生率は有意に低下した.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00820612)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 1414 - 22. )