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April 25, 2013 Vol. 368 No. 17

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房室ブロックと収縮機能不全に対する両室ペーシング
Biventricular Pacing for Atrioventricular Block and Systolic Dysfunction

A.B. Curtis and Others

背景

房室ブロック患者の心拍数は右室ペーシングにより適正化されるが,右室心尖部ペーシングの割合が高いと左室収縮機能不全が促進される可能性がある.われわれは,両室ペーシングによりこうした患者の死亡率,障害発生率,有害な左室リモデリングが低減されるかどうかを検討した.

方 法

房室ブロックに対するペーシングの適応があり,ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類 I~III 度の心不全を有し,左室駆出率が 50%以下の患者を登録した.患者に心臓再同期ペースメーカーまたは植込み型除細動器(ICD)(後者は除細動療法が適応となる患者の場合)を植え込んだ後,標準的な右室ペーシングと両室ペーシングのいずれかに無作為に割り付けた.主要転帰は,全死因死亡,経静脈治療を要する心不全での緊急来院,左室収縮末期容積係数の 15%以上の増加の,いずれかが発生するまでの期間とした.

結 果

登録した 918 例中 691 例を無作為化し,平均 37 ヵ月追跡した.主要転帰は,右室ペーシング群では 342 例中 190 例(55.6%)に発生したのに対し,両室ペーシング群では 349 例中 160 例(45.8%)に発生した.経時的な主要転帰の発生率は,両室ペーシング群の患者のほうが右室ペーシング群の患者よりも有意に低く(ハザード比 0.74,95%信用区間 [CI] 0.60~0.90),結果はペースメーカー群と ICD 群で同程度であった.左室リード関連合併症が患者の 6.4%で発生した.

結 論

房室ブロック,左室収縮機能不全,NYHA 分類 I~III 度の心不全を有する患者において,両室ペーシングは従来の右室ペーシングよりも優れていた.(Medtronic 社から研究助成を受けた.BLOCK HF ClinicalTrials.gov 番号: NCT00267098)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 1585 - 93. )