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October 17, 2013 Vol. 369 No. 16

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メンデル遺伝性疾患を診断するための臨床的全エクソーム解析
Clinical Whole-Exome Sequencing for the Diagnosis of Mendelian Disorders

Y. Yang and Others

背景

全エクソーム解析は,遺伝性疾患が疑われる患者の分子欠損を同定するための診断手法である.

方 法

患者の疾患表現型の基礎にある配列変異を同定するため,認定された臨床検査室において,全エクソーム解析に関する技術,生物情報学,解析,および検証のパイプラインを開発した.

結 果

紹介元医師が全エクソーム解析を指示した発端者のうち,最初の 250 例のデータを示す.患者は遺伝的原因の可能性を示唆するさまざまな表現型を呈していた.患者の約 80%は神経疾患の表現型を呈する小児であった.検査費用の保険適用範囲は確立されている遺伝子検査と同程度であった.250 例中 62 例で,疾患の原因となる可能性が高い変異アレル 86 個を同定した.分子診断陽性率は 25%であった(95%信頼区間 [CI] 20~31).この 62 例のうち,33 例は常染色体優性疾患,16 例は常染色体劣性疾患,9 例は X 連鎖性疾患であった.4 例の発端者に,重複しない 2 つの分子診断が下された.これは,病歴と身体所見をもとに下された臨床診断に疑問を呈するものであった.常染色体優性変異アレルの 83%と X 連鎖性変異アレルの 40%は,de novo 変異であった.頻発する臨床表現型は,同じ原因遺伝子に生じた変異に起因する場合と,遺伝的に不均一な疾患の原因となる異なる遺伝子に生じた変異に起因する場合があった.

結 論

全エクソーム解析によって,遺伝性疾患が疑われ評価のために紹介された連続する患者のうち,25%で基礎にある遺伝子欠損が同定された.(米国国立ヒトゲノム研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 1502 - 11. )