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December 26, 2013 Vol. 369 No. 26

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小児の軽症および中等症~重症インフルエンザを予防するためのワクチン
Vaccine for Prevention of Mild and Moderate-to-Severe Influenza in Children

V.K. Jain and Others

背景

一般的に用いられる 3 価インフルエンザワクチンには B 型ウイルスの系統が 1 つしか含まれておらず,B 型のもう 1 つの系統のウイルスに対しては効果がない可能性がある.われわれは,2 つの B 型系統を含有する候補不活化 4 価インフルエンザワクチン(QIV)の有効性を評価した.

方 法

多国第 3 相観察者盲検研究において,3~8 歳の小児を,QIV 接種群と A 型肝炎ワクチン接種群(対照群)に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(rt-PCR)により確認された A 型または B 型のインフルエンザとした.副次的エンドポイントは,r t-PCR により確認された中等症~重症インフルエンザと,r t-PCR 陽性で培養により確認されたインフルエンザとした.全ワクチン接種コホート(各群 2,584 例)と perprotocol コホート(QIV 群 2,379 例,対照群 2,398 例)において,ワクチンの有効率と,ワクチン接種が日常生活活動および医療資源の利用に及ぼす影響を評価した.

結 果

全ワクチン接種コホートでは,rt-PCR によりインフルエンザが確認されたのは QIV 群の 62 例(2.40%)と対照群の 148 例(5.73%)で,QIV の有効率は 59.3%(95%信頼区間 [CI] 45.2~69.7)であり,培養で確認されたインフルエンザに対する有効率は 59.1%(97.5% CI 41.2~71.5)であった.r t-PCR で確認された中等症~重症インフルエンザについては,発病率は QIV 群で 0.62%(16 症例),対照群で 2.36%(61 症例)であり,QIV の有効率は 74.2%(97.5% CI 51.5~86.2)であった.per-protocol コホートでは,QIV の有効率は 55.4%(95% CI 39.1~67.3),培養で確認されたインフルエンザに対する有効率は 55.9%(97.5% CI 35.4~69.9)であった.中等症~重症インフルエンザ罹患児における有効率は 73.1%(97.5% CI 47.1~86.3)であった.per-protocol コホートでは,QIV は,対照ワクチンと比較して,体温が 39℃を超えるリスクと下気道疾患のリスクの低下に関連した(それぞれ相対リスク 0.29 [95% CI 0.16~0.56],0.20 [95% CI 0.04~0.92]).QIV は 4 株すべてに対して免疫原性を示した.重篤な有害事象は QIV 群の 36 例(1.4%)と,対照群の 24 例(0.9%)に発生した.

結 論

QIV は小児のインフルエンザ予防に有効であった.(GlaxoSmithKline Biologicals 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01218308)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 2481 - 91. )