The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 25, 2013 Vol. 369 No. 4

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療のためのリオシグアト
Riociguat for the Treatment of Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension

H.-A. Ghofrani and Others

背景

新しいクラスの化合物(可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬)であるリオシグアト(riociguat)は,これまでの臨床試験において,慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療に有益であることが示されている.

方 法

第 3 相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験において,手術不能の慢性血栓塞栓性肺高血圧症を有する患者,または肺動脈内膜摘除術後に肺高血圧症の持続もしくは再発がみられる患者の計 261 例を,プラセボ投与とリオシグアト投与に無作為に割り付けた.主要評価項目は,ベースラインから 16 週目の終わりまでの 6 分間歩行距離の変化とした.副次的評価項目は,肺血管抵抗のベースラインからの変化,脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体 N 端フラグメント(NT-proBNP)濃度,世界保健機関(WHO)機能分類,臨床的増悪までの期間,ボルグ呼吸困難スコア,QOL 変数,安全性とした.

結 果

16 週目までに,6 分間歩行距離はリオシグアト群で平均 39 m 増加したのに対し,プラセボ群では平均 6 m 減少した(最小二乗平均の差 46 m,95%信頼区間 [CI] 25~67,P<0.001).肺血管抵抗は,リオシグアト群では 226 dyn・sec・cm-5 低下し,プラセボ群では 23 dyn・sec・cm-5 上昇した(最小二乗平均の差 -246 dyn・sec・cm-5,95% CI -303~-190,P<0.001).リオシグアトは,NT-proBNP 濃度(P<0.001)と WHO 機能分類(P=0.003)の有意な改善にも関連した.高頻度に認められた重篤な有害事象は,右室不全(各群 3%)と失神(リオシグアト群 2%,プラセボ群 3%)であった.

結 論

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の患者において,リオシグアトにより運動耐容能と肺血管抵抗が有意に改善した.(Bayer HealthCare 社から研究助成を受けた.CHEST-1 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00855465,CHEST-2 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00910429)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 319 - 29. )