The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 29, 2013 Vol. 369 No. 9

肺動脈性肺高血圧症におけるマシテンタンとイベントおよび死亡
Macitentan and Morbidity and Mortality in Pulmonary Arterial Hypertension

T. Pulido and Others

背景

肺動脈性肺高血圧症(PAH)に対する現在の治療法は,運動耐容能を主要エンドポイントとした短期試験に基づいて採用されている.われわれは,新規のデュアルエンドセリン受容体拮抗薬マシテンタン(macitentan)の有効性を,イベントと死亡を主要エンドポイントとした長期試験において評価した.

方 法

症候性 PAH 患者を,プラセボを 1 日 1 回投与する群,マシテンタン 3 mg を 1 日 1 回投与する群,マシテンタン 10 mg を 1 日 1 回投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.試験登録時に,PAH に対してエンドセリン受容体拮抗薬以外の経口薬または吸入薬による治療を継続していた場合は併用を認めた.主要エンドポイントは,治療の開始から,死亡,心房中隔裂開術,肺移植,プロスタノイド静注または皮下投与の開始,PAH の増悪から成る複合エンドポイントの初回発生までの期間とした.

結 果

250 例をプラセボ群,250 例をマシテンタン 3 mg 群,242 例をマシテンタン 10 mg 群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントはそれぞれ 46.4%,38.0%,31.4%に発生した.マシテンタン 3 mg 群のプラセボ群に対するハザード比は 0.70(97.5%信頼区間 [CI] 0.52~0.96,P=0.01)であり,マシテンタン 10 mg 群のプラセボ群に対するハザード比は 0.55(97.5% CI 0.39~0.76,P<0.001)であった.PAH の増悪が主要エンドポイントのなかでもっとも頻度が高かった.このエンドポイントに対するマシテンタンの効果は,ベースラインの時点での PAH に対する治療の有無にかかわらず認められた.プラセボよりもマシテンタンに関連する頻度の高かった有害事象は,頭痛,鼻咽頭炎,貧血であった.

結 論

このイベント主導型試験では,マシテンタンにより PAH 患者のイベントと死亡が有意に減少した.(Actelion Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.SERAPHIN ClinicalTrials.gov 番号:NCT00660179)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 809 - 18. )