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April 10, 2014 Vol. 370 No. 15

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重症敗血症または敗血症性ショックの患者におけるアルブミン補充
Albumin Replacement in Patients with Severe Sepsis or Septic Shock

P. Caironi and Others

背景

先行試験では,重症敗血症患者に対するアルブミン投与が有用である可能性が示唆されているが,その有効性は十分に確立されていない.

方 法

多施設共同非盲検試験において,集中治療室(ICU)100 施設の重症敗血症患者 1,818 例を,20%アルブミンおよび晶質液を投与する群と,晶質液を単独で投与する群に無作為に割り付けた.アルブミン群では,ICU 退室まで,または無作為化後 28 日までの目標血清アルブミン濃度を 30 g/L 以上とした.主要評価項目は 28 日の時点での全死因死亡とした.副次的評価項目は,90 日の時点での全死因死亡,臓器不全の患者数と機能不全の程度,ICU および病院の滞在期間とした.

結 果

最初の 7 日間は,アルブミン群の患者は,晶質液群の患者と比較して平均動脈圧が高く(P=0.03),正味の体液バランスは低かった(P<0.001).1 日の総輸液量に群間で有意差は認められなかった(P=0.10).28 日の時点で,アルブミン群 895 例中 285 例(31.8%)と,晶質液群 900 例中 288 例(32.0%)が死亡した(アルブミン群の相対リスク 1.00,95%信頼区間 [CI] 0.87~1.14,P=0.94).90 日の時点では,アルブミン群 888 例中 365 例(41.1%)と,晶質液群 893 例中 389 例(43.6%)が死亡した(相対リスク 0.94,95% CI 0.85~1.05,P=0.29).他の副次的評価項目に関して,群間で有意差は認められなかった.

結 論

重症敗血症の患者に対して,晶質液輸液にアルブミン補充を追加しても,晶質液単独と比較して,28 日,90 日の時点での生存率は改善されなかった.(イタリア医薬品庁から研究助成を受けた.ALBIOS ClinicalTrials.gov 番号:NCT00707122)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 1412 - 21. )