C 型肝炎ウイルスに対するリバビリン併用・非併用下での ABT-450/r・オムビタスビルとダサブビル
ABT-450/r–Ombitasvir and Dasabuvir with or without Ribavirin for HCV
P. Ferenci and Others
C 型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型 1 型感染患者を対象として,インターフェロンを用いず,リバビリン併用または非併用下で ABT-450+リトナビル(ABT-450/r),オムビタスビル(ombitasvir),ダサブビル(dasabuvir)を投与するレジメンを検討した第 2 相試験では,ウイルス排除(SVR)の誘導における有効性が認められた.われわれは,肝硬変を伴わない未治療の HCV 遺伝型 1 型感染患者におけるこのレジメンの有効性と安全性を検討する目的で,2 つの第 3 相試験を行った.
HCV 遺伝型 1b 型感染患者 419 例(PEARL-III 試験)と,遺伝型 1a 型感染患者 305 例(PEARL-IV 試験)を,ABT-450/r・オムビタスビル(1 日 1 回の用量として ABT-450 150 mg,リトナビル 100 mg,オムビタスビル 25 mg)とダサブビル(250 mg,1 日 2 回)に,体重に応じた量のリバビリンを併用する群と,リバビリンの代わりにマッチさせたプラセボを併用する群に無作為に割り付け,12 週間投与した.主要有効性評価項目は治療終了後 12 週の時点でのウイルス排除(SVR)(HCV RNA 量<25 IU/mL)とした.
試験レジメンにより,HCV 遺伝型 1b 型感染患者(リバビリン併用群 99.5%,非併用群 99.0%)と,遺伝型 1a 型感染患者(それぞれ 97.0%,90.2%)の両方で高い SVR 率が得られた.遺伝型 1b 型感染患者のうち,1 例がウイルス学的失敗をきたし,2 例では治療後 12 週の時点でのデータが得られなかった.遺伝型 1a 型感染患者では,ウイルス学的失敗率が,リバビリン非併用群のほうが併用群よりも高かった(7.8% 対 2.0%).いずれの試験でも,ヘモグロビン値の低下は,リバビリン併用患者のほうが有意に高頻度に認められた.2 例(0.3%)が有害事象により試験薬を中止した.頻度の高かった有害事象は,倦怠感,頭痛,悪心であった.
未治療の HCV 遺伝型 1 型感染患者において,リバビリンを併用せず ABT-450/r・オムビタスビルとダサブビルを 12 週間投与する治療は,高い SVR 率に関連した.遺伝型 1a 型感染患者においては,リバビリン非併用群のほうが併用群よりもウイルス学的失敗率が高かったが,遺伝型 1b 型感染患者ではそのような差は認められなかった.(AbbVie 社から研究助成を受けた.PEARL-III 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01767116,PEARL-IV 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01833533)