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January 16, 2014 Vol. 370 No. 3

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新規 2 型糖尿病の成人における体格指数と死亡率
Body-Mass Index and Mortality among Adults with Incident Type 2 Diabetes

D.K. Tobias and Others

背景

2 型糖尿病患者における体重と死亡率の関係は明らかにされていないが,一部の研究では,過体重または肥満の患者の死亡率は標準体重の患者よりも低いこと(「肥満パラドックス」)が示唆されている.

方 法

看護師健康調査と医療従事者追跡調査から,糖尿病と新たに診断され,診断時には心血管疾患や癌を有していなかった参加者を対象に検討した(それぞれ 8,970 例,2,457 例).診断直前の体重と身長から体格指数(BMI,体重 [kg]/身長 [m] 2)を算出した.多変量 Cox モデルを用いて,BMI 区分ごとに死亡のハザード比と 95%信頼区間を推定した.

結 果

平均追跡期間 15.8 年のあいだに,3,083 例が死亡した.BMI 区分(18.5~22.4,22.5~24.9 [基準],25.0~27.4,27.5~29.9,30.0~34.9,35.0 以上)と全死因死亡率とのあいだに J 字型の関連が認められた(ハザード比はそれぞれ 1.29 [95%信頼区間 {CI} 1.05~1.59],1.00,1.12 [95% CI 0.98~1.29],1.09 [95% CI 0.94~1.26],1.24 [95% CI 1.08~1.42],1.33 [95% CI 1.14~1.55]).この関連は,喫煙歴のない参加者では線形であったが(BMI 区分ごとのハザード比:1.12,1.00,1.16,1.21,1.36,1.56),喫煙歴のある参加者では非線形であった(BMI 区分ごとのハザード比:1.32,1.00,1.09,1.04,1.14,1.21)(相互作用の P=0.04).糖尿病診断時の年齢が 65 歳未満であった参加者では直接的な線形傾向が認められたが,65 歳以上であった参加者では認められなかった(相互作用の P<0.001).

結 論

BMI と死亡率とのあいだには,参加者全体および喫煙歴のある参加者では J 字型の関連が,喫煙歴のない参加者では直接的な線形の関連が認められた.われわれは,過体重または肥満の糖尿病患者の死亡率が標準体重の患者よりも低いという,肥満パラドックスを見出せなかった.(米国国立衛生研究所,米国糖尿病学会から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 233 - 44. )