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January 30, 2014 Vol. 370 No. 5

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低骨密度閉経後女性におけるロモソズマブ
Romosozumab in Postmenopausal Women with Low Bone Mineral Density

M.R. McClung and Others

背景

スクレロスチンは,骨細胞由来の骨芽細胞活性阻害因子である.モノクローナル抗体ロモソズマブ(romosozumab)は,スクレロスチンに結合し,骨形成を増加させる.

方 法

第 2 相多施設共同多国無作為化プラセボ対照並行群間比較 8 群試験において,55~85 歳で,低骨密度(T スコアが腰椎,股関節全体,大腿骨頸部のいずれかで -2.0 以下であり,かついずれも -3.5 以上)の閉経後女性 419 例を対象に,12 ヵ月にわたりロモソズマブの有効性と安全性を評価した.参加者を,ロモソズマブを月 1 回皮下投与する群(70 mg 群,140 mg 群,210 mg 群),ロモソズマブを 3 ヵ月に 1 回皮下投与する群(140 mg 群,210 mg 群),プラセボを皮下投与する群,非盲検の実薬対照としてアレンドロネート(70 mg 週 1 回)を経口投与する群,テリパラチド(20 μg 1 日 1 回)を皮下投与する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,12 ヵ月の時点における腰椎骨密度のベースラインからの変化量(%)とした.副次的エンドポイントは,その他の部位における骨密度の変化量(%),骨代謝マーカーの変化量(%)などとした.

結 果

ロモソズマブはいずれの用量でも腰椎骨密度の有意な増加に関連し,210 mg 月 1 回投与群では 11.3%の増加が認められたのに対し,プラセボ群では 0.1%の減少,アレンドロネート群では 4.1%の増加,テリパラチド群では 7.1%の増加が認められた.ロモソズマブは,股関節全体および大腿骨頸部の骨密度の大幅な増加や,骨形成マーカーの一時的な増加,骨吸収マーカーの持続的な減少にも関連した.有害事象の発生頻度は,ロモソズマブによる通常は再発しない軽度の注射部位反応を除いて群間で同程度であった.

結 論

骨量の減少した閉経後女性において,ロモソズマブは骨密度および骨形成の増加と,骨吸収の低下に関連した.(Amgen 社,UCB Pharma 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00896532)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 412 - 20. )