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February 27, 2014 Vol. 370 No. 9

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DNA 塩基配列決定と標準的出生前染色体異数性スクリーニングの比較
DNA Sequencing versus Standard Prenatal Aneuploidy Screening

D.W. Bianchi and Others

背景

高リスクの妊娠女性では,非侵襲的な出生前検査である母体血漿の無細胞 DNA の大量並列シーケンシング(cfDNA 検査)によって,胎児の常染色体異数性は正確に検出される.しかし,低リスクの妊娠女性における精度は不明である.

方 法

米国の 21 施設において,標準的な染色体異数性スクリーニング(血清マーカー検査と,妊娠第 1 期の項部浮腫 [NT] 測定結果があれば併用)が予定されていた単胎妊娠女性から血液検体を収集した.各検体の染色体数を測定するため,盲検下で大量並列シーケンシングを行った.主要評価項目は,胎児の 21 トリソミーと 18 トリソミーの検出における,標準的スクリーニングと cfDNA 検査の偽陽性率の比較とした.出生転帰または核型を参照基準とした.

結 果

主要解析の対象となったのは,染色体異数性を有しない単胎児を妊娠していた女性で,採取された検体が適格であり,cfDNA 検査の結果が得られ,標準スクリーニングに基づくリスク分類が行われた 1,914 人(平均年齢 29.6 歳)であった.21 トリソミー,18 トリソミーについて,cfDNA 検査の偽陽性率は標準的スクリーニングと比較して有意に低かった(21 トリソミー 0.3% 対 3.6%,P<0.001;18 トリソミー 0.2% 対 0.6%,P=0.03).cfDNA 検査により染色体異数性症例はすべて検出された(21 トリソミー 5 例,18 トリソミー 2 例,13 トリソミー 1 例;陰性適中率 100% [95%信頼区間 99.8~100]).cfDNA 検査と標準的スクリーニングとで,21 トリソミーの陽性適中率は 45.5% 対 4.2%,18 トリソミーの陽性適中率は 40.0% 対 8.3%であった.

結 論

一般的な産科受診女性集団において,cfDNA を用いた出生前検査は,標準的スクリーニングと比較して,21 トリソミーと 18 トリソミーの検出における偽陽性率が有意に低く,陽性適中率が有意に高かった.(Illumina 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01663350)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 799 - 808. )