The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 27, 2014 Vol. 370 No. 9

マラリアを越えて ― タンザニアの外来患児における発熱の原因
Beyond Malaria ― Causes of Fever in Outpatient Tanzanian Children

V. D’Acremont and Others

背景

マラリアの発生が減少するにつれ,マラリア以外を原因とする発熱をよりよく理解することが,小児疾患を有効に管理するうえで重要である.この研究では,アフリカの小児における発熱の原因を多方面から検討した.

方 法

タンザニアの 2 ヵ所の外来診療所(農村部 1 ヵ所と都市部 1 ヵ所)において,体温が 38℃以上の 10 歳未満の小児を登録した.治療歴を入手し,系統的な手順により臨床検査を行った.急性の発熱の原因として考えられる病原体の迅速診断検査,血清学的検査,培養,分子的検査を行うため,血液検体と鼻咽頭検体を採取した.最終診断はアルゴリズムと事前に規定した一連の基準を用いて決定した.

結 果

臨床所見と 25,743 件の臨床検査のデータを解析し,1,232 件の診断が得られた.小児 1,005 人(22.6%は複数の診断を受けた)のうち,62.2%が急性呼吸器感染症を有しており,このうち 5.0% は X 線で肺炎が確認された.マラリアや腸チフス以外の,細菌,ウイルス,寄生虫を原因とする全身性感染症が 13.3%,鼻咽頭ウイルス感染症(呼吸器に症状や徴候のないもの)が 11.9%,マラリアが 10.5%,胃腸炎が 10.3%,尿路感染症が 5.9%,腸チフスが 3.7%,皮膚または粘膜の感染症が 1.5%,髄膜炎が 0.2%に認められた.3.2%は発熱の原因が不明であった.70.5%がウイルス性疾患,22.0%が細菌性疾患,10.9%が寄生虫性疾患を有していた.

結 論

これらの結果から,2 つの代表的な医療施設において,アフリカの小児における発熱の多様な原因が明らかになった.ウイルスを原因とする発熱が,細菌や寄生虫を原因とする発熱よりも高い頻度で認められた.(スイス国立科学財団ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 809 - 17. )