September 25, 2014 Vol. 371 No. 13
安定冠動脈疾患に対する冠血流予備量比ガイド下経皮的冠動脈インターベンション
Fractional Flow Reserve–Guided PCI for Stable Coronary Artery Disease
B. De Bruyne and Others
安定冠動脈疾患と狭窄を有する患者には,冠血流予備量比(FFR)に基づいて行う経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のほうが,内科的治療よりも優れているという仮説を立てた.
安定冠動脈疾患患者 1,220 例において,血管造影で確認できるすべての狭窄の FFR を評価した.FFR が 0.80 以下の狭窄を 1 つ以上有する患者を,FFR ガイド下 PCI と内科的治療を併用する群と,内科的治療を単独で行う群に無作為に割り付けた.すべての狭窄の FFR が 0.80 を超えていた患者には内科的治療を単独で行い,登録した.主要エンドポイント(評価項目)は,2 年以内の全死因死亡,非致死的心筋梗塞,緊急血行再建術の複合とした.
主要エンドポイントの発生率は,PCI 群のほうが内科的治療群よりも有意に低かった(8.1% 対 19.5%,ハザード比 0.39,95%信頼区間 [CI] 0.26~0.57,P<0.001).この差は PCI 群における緊急血行再建術施行率が低いことに起因するものであり(4.0% 対 16.3%,ハザード比 0.23,95% CI 0.14~0.38,P<0.001),死亡率と心筋梗塞の発生率には群間で有意差は認められなかった.心筋梗塞または心電図の虚血性変化のために施行された緊急血行再建術の頻度は PCI 群のほうが低かった(3.4% 対 7.0%,P=0.01).ランドマーク解析では,8 日目~2 年目までの死亡率または心筋梗塞の発生率は,PCI 群のほうが内科的治療群よりも低かった(4.6% 対 8.0%,P=0.04).登録患者における 2 年目の主要エンドポイントの発生率は 9.0%であった.
安定冠動脈疾患患者では,FFR ガイド下 PCI によって,内科的治療単独と比較して転帰が改善した.虚血のない患者では,内科的治療単独で良好な転帰が得られた.(St. Jude Medical 社から研究助成を受けた.FAME 2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01132495)