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March 12, 2015 Vol. 372 No. 11

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ClinicalTrials.gov での結果報告の遵守状況
Compliance with Results Reporting at ClinicalTrials.gov

M.L. Anderson and Others

背景

米国食品医薬品局改正法(FDAAA)では,適用される臨床試験の結果を,ClinicalTrials.gov に定められた期限内に報告することが義務付けられている.われわれは,適用される臨床試験のうち,結果が公表され入手可能な試験の割合を明らかにし,結果の報告に関連する独立因子を明らかにした.

方 法

米国国立医学図書館のデータに基づくアルゴリズムを用いて,2008~13 年に FDAAA の条項の対象であった可能性が高い試験(条項適用の可能性が非常に高い臨床試験 [HLACT])を同定した.結果が FDAAA に定められている 12 ヵ月以内,または 5 年間の研究期間のいずれかの時点で報告された HLACT の割合を求めた.回帰モデルを用いて,12 ヵ月の時点,および 5 年間の研究期間における報告に関連する特性を検討した.

結 果

ClinicalTrials.gov に登録されたすべての試験から,2008 年 1 月 1 日~2012 年 8 月 31 日の期間に中止または終了した HLACT 13,327 件を同定した.このうち 77.4%は薬物臨床試験に分類されていた.全体の 36.9%は第 2 相試験,23.4%は第 3 相試験で,65.6%は企業から研究助成を受けていた.試験終了後 12 ヵ月以内に結果の概要を報告した試験は全体の 13.4%程度であった一方,2013 年 9 月 27 日までのいずれかの時点で結果を報告した試験は 38.3%であった.定められた期限内の報告は,FDA の監視,試験の段階がより後期であること,企業による研究助成などの因子と,独立した関連が認められた.サンプルの検討により,結果の報告を命じられなかった試験の割合は,企業から研究助成を受けた試験では 45%であったのに対し,米国国立衛生研究所(NIH)から研究助成を受けた試験では 6%,その他の政府機関・学術機関から研究助成を受けた試験では 9%であることが示唆された.

結 論

試験の知見を速やかに公表するという倫理的・法的義務にもかかわらず,大半の HLACT で,研究期間に ClinicalTrials.gov へ定められた期限内に結果が報告されていなかった.企業から研究助成を受けた試験のほうが,NIH やその他の政府機関,学術機関から研究助成を受けた試験と比較して,法的義務を遵守している割合が高かった.(臨床試験変革イニシアチブおよび米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 1031 - 9. )