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January 8, 2015 Vol. 372 No. 2

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ラテンアメリカの小児における 4 価デングワクチンの有効性
Efficacy of a Tetravalent Dengue Vaccine in Children in Latin America

L. Villar and Others

背景

デングウイルス感染の発生率が,ベクターコントロールにさまざまな対策をとっているにもかかわらず世界中で上昇していることをふまえ,数種類のワクチン候補が開発中である.

方 法

デング熱が流行しているラテンアメリカ 5 ヵ国において,4 価デングワクチンの第 3 相有効性試験を行った.9~16 歳の健常児を,盲検下で 0 ヵ月目,6 ヵ月目,12 ヵ月目の 3 回,遺伝子組換え弱毒生 4 価デングワクチン(CYD-TDV)を接種する群と,プラセボを接種する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.その後 25 ヵ月間追跡した.主要転帰は,重症度や血清型にかかわらず,3 回目の接種後 28 日目を過ぎてから発現した,症候性のウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対するワクチン有効率とした.

結 果

20,869 例の健常児がワクチンまたはプラセボの接種を受けた.ベースラインで,免疫原性を検討するためのサブグループ 1,944 例のうち,79.4%が 1 種類以上のデング血清型について陽性反応を示した.per-protocol 集団では,VCD はワクチン群で 176 例(リスク 11,793 人年),対照群で 221 例(リスク 5,809 人年)認められ,ワクチン有効率は 60.8%(95%信頼区間 [CI] 52.0~68.0)であった.intention-to-treat 集団(1 回以上接種を受けた児)では,ワクチン有効率は 64.7%(95% CI 58.7~69.8)であった.ワクチンの血清型特異的有効率は,1 型に対して 50.3%,2 型に対して 42.3%,3 型に対して 74.0%,4 型に対して 77.7%であった.重症 VCD 症例について,12 例のうちワクチン群は 1 例であり,intention-to-treat 解析によるワクチン有効率は 95.5%であった.デング熱による入院に対するワクチン有効率は 80.3%であった.CYD-TDV とプラセボとで有害事象の発現率に顕著な差は認められず,安全性プロファイルは類似していた.

結 論

デング熱が流行しているラテンアメリカ 5 ヵ国において,CYD-TDV デングワクチンは VCD および重症 VCD に対して有効であり,VCD による入院が少なくなった.(Sanofi Pasteur 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01374516)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 113 - 23. )