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January 8, 2015 Vol. 372 No. 2

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再発多発性骨髄腫に対するカルフィルゾミブ,レナリドミド,デキサメタゾン
Carfilzomib, Lenalidomide, and Dexamethasone for Relapsed Multiple Myeloma

A.K. Stewart and Others

背景

レナリドミド+デキサメタゾンは,再発多発性骨髄腫に対する標準治療である.再発多発性骨髄腫に対して,レナリドミド+デキサメタゾンに,プロテアソーム阻害薬であるカルフィルゾミブ(carfilzomib)を併用した第 1・2 相試験では,有効性が示されている.

方 法

再発多発性骨髄腫患者 792 例を,レナリドミド+デキサメタゾンにカルフィルゾミブを併用する群(カルフィルゾミブ群)と,レナリドミド+デキサメタゾンのみを投与する群(対照群)に無作為に割り付けた.主要評価項目は無増悪生存期間とした.

結 果

無増悪生存期間は,カルフィルゾミブによって有意に延長した(中央値 26.3 ヵ月 対 対照群 17.6 ヵ月,増悪または死亡のハザード比 0.69,95%信頼区間 [CI] 0.57~0.83,P=0.0001).中間解析の時点で, 全生存期間中央値は両群とも未到達であった.Kaplan–Meier 法による 24 ヵ月全生存率は,カルフィルゾミブ群 73.3%,対照群 65.0%であった(死亡のハザード比 0.79,95% CI 0.63~0.99,P=0.04).全奏効率(部分奏効以上)は,カルフィルゾミブ群 87.1%,対照群 66.7%であった(P<0.001,完全奏効またはそれよりも良好な効果はそれぞれ 31.8%と 9.3%で得られ,厳密な完全奏効は 14.1%と 4.3%で得られた).グレード 3 以上の有害事象は,カルフィルゾミブ群の 83.7%と対照群の 80.7%で報告され,それぞれ 15.3%と 17.7%が有害事象のため治療を中止した.カルフィルゾミブ群では,健康関連 QOL が対照群よりも良好であった.

結 論

再発多発性骨髄腫患者において,レナリドミド+デキサメタゾンにカルフィルゾミブを併用する治療法は,中間解析の時点で無増悪生存期間が有意に延長し,リスク利益プロファイルは良好であった.(Onyx Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01080391)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 142 - 52. )