難治性転移性結腸・直腸癌に対する TAS-102 の無作為化試験
Randomized Trial of TAS-102 for Refractory Metastatic Colorectal Cancer
R.J. Mayer and Others
トリフルリジンとチピラシル塩酸塩の経口配合薬 TAS-102 の難治性結腸・直腸癌に対する有効性が,主に日本で行われた初期の臨床試験では示されている.世界の患者集団を対象に,TAS-102 の有効性と安全性をさらに評価するために,第 3 相試験を行った.
二重盲検試験において,患者 800 例を TAS-102 投与群とプラセボ投与群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は全生存期間とした.
全生存期間中央値は,プラセボ群の 5.3 ヵ月に対し,TAS-102 群では 7.1 ヵ月に延長し,TAS-102 群のプラセボ群に対する死亡のハザード比は 0.68(95%信頼区間 [CI] 0.58~0.81,P<0.001)であった.TAS-102 に関連する,高頻度に認められた臨床的に重要な有害事象は,38%に発現した好中球減少と,21%に発現した白血球減少であった.TAS-102 投与例の 4%に発熱性好中球減少症が発現し,TAS-102 に関連した死亡 1 例が報告された.パフォーマンスステータス進行(米国東部癌共同研究グループ [ECOG] のパフォーマンスステータス [0~5 の尺度で,0 は症状がないことを示し,数字が大きいほど障害の程度が重いことを示す] が,0 または 1 から 2 以上に変化すること)までの期間の中央値は,TAS-102 群 5.7 ヵ月に対し,プラセボ群 4.0 ヵ月であった(ハザード比 0.66,95% CI 0.56~0.78,P<0.001).
難治性結腸・直腸癌患者において,TAS-102 は,プラセボと比較して全生存期間の有意な延長に関連した.(Taiho Oncology 社/Taiho Pharmaceutical 社から研究助成を受けた.RECOURSE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01607957)