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June 25, 2015 Vol. 372 No. 26

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神経膠腫の 1p/19q,IDHTERT プロモーターの変異に基づく分類
Glioma Groups Based on 1p/19q, IDH, and TERT Promoter Mutations in Tumors

J.E. Eckel-Passow and Others

背景

浸潤性神経膠腫の臨床的挙動,治療反応性,転帰を予測することは困難である.これまでの腫瘍生物学研究に基づき,われわれは,TERT プロモーター変異,IDH 変異,1 番染色体短腕と 19 番染色体長腕の共欠失(1p/19q 共欠失)の 3 つの分子変化を用いて,神経膠腫の 5 つの分子分類を定義した.これらの分類内では,腫瘍の臨床的変数,後天的な体細胞の変化,生殖細胞系列多様体が類似しているという仮説を検証した.

方 法

神経膠腫 1,087 症例において,これらの腫瘍マーカーそれぞれについて陰性か陽性かを記録し,5 つの分子分類間で後天的な分子変化と患者背景を比較した.対照 11,590 例において,これらの群と,神経膠腫生殖細胞系列の既知の多様体との関連を評価した.

結 果

グレード 2 または 3 の神経膠腫 615 例のうち,3 つの分子変化すべてが陽性(トリプルポジティブ)であったのは 29%,TERTIDH 変異陽性であったのは 5%,IDH 変異のみ陽性であったのは 45%,3 つすべてが陰性(トリプルネガティブ)であったのは 7%,TERT 変異のみ陽性であったのは 10%であり,5%はそれ以外の組合せであった.グレード 4 の神経膠腫 472 例では,トリプルポジティブは 1%未満,TERTIDH 変異陽性は 2%,IDH 変異のみ陽性は 7%,トリプルネガティブは 17%,TERT 変異のみ陽性は 74%であった.診断時年齢の平均は,IDH 変異のみ陽性の患者がもっとも低く(37 歳),TERT 変異のみ陽性の患者がもっとも高かった(59 歳).グレード 2 または 3 の患者においては,分子分類と全生存とのあいだに独立した関連が認められたが,グレード 4 の患者ではそのような関連は認められなかった.分子分類と,特異的な生殖細胞系列多様体とのあいだにも関連が認められた.

結 論

神経膠腫を,3 つの腫瘍マーカーに基づき 5 つの主要な群に分類した.これらの群は,発症年齢,全生存,関連する生殖細胞系列多様体が異なっており,このことは,これらの分類が異なる発症機序によって特徴付けられることを示唆している.(米国国立衛生研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 2499 - 508. )