The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

November 5, 2015 Vol. 373 No. 19

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

マントル細胞リンパ腫の初期治療としてのレナリドミドとリツキシマブの併用
Lenalidomide plus Rituximab as Initial Treatment for Mantle-Cell Lymphoma

J. Ruan and Others

背景

マントル細胞リンパ腫の多くは治癒困難である.初期治療は標準化されていないが,通常,殺細胞性化学療法などが行われている.免疫調節薬であるレナリドミドと,抗 CD20 抗体であるリツキシマブは,再発マントル細胞リンパ腫患者における活性が認められている.第一選択治療としての,レナリドミドとリツキシマブの併用療法を評価した.

方 法

導入期間と維持期間を設定した多施設共同単群第 2 相試験を行った.導入期間中は,レナリドミド 20 mg/日を,28 日を 1 サイクルとして 1~21 日目に投与するレジメンを 12 サイクル行った.第 1 サイクルで用量制限有害事象が起こらなければ,第 2 サイクル以降は 25 mg/日に増量した.維持期間中は 15 mg/日に減量した.リツキシマブは,最初の 4 週間は週に 1 回投与し,その後は病勢進行が認められるまで 2 サイクルに 1 回投与した.主要評価項目は全奏効率とした.副次的評価項目は,安全性,生存率,QOL に関連する転帰などとした.

結 果

2011 年 7 月~2014 年 4 月に,4 施設で 38 例が登録された.年齢中央値は 65 歳であった.マントル細胞リンパ腫国際予後指標(MIPI)スコアがベースラインで低リスク,中間リスク,高リスクであった患者の割合は同程度であった(それぞれ 34%,34%,32%).頻度が高かったグレード 3 または 4 の有害事象は,好中球減少(患者の 50%),発疹(29%),血小板減少(13%),炎症症候群(腫瘍フレア)(11%),貧血(11%),血清異常(8%),疲労(8%)であった.追跡期間中央値 30 ヵ月(2015 年 2 月まで)の時点で,評価しえた患者における全奏効率は 92%(95%信頼区間 [CI] 78~98)であり,完全奏効率は 64%(95% CI 46~79)であった.無増悪生存期間中央値は未到達であった.2 年無増悪生存率は 85%(95% CI 67~94),2 年全生存率は 97%(95% CI 79~99)と推定された.治療反応性は QOL の向上と関連していた.

結 論

マントル細胞リンパ腫の初期治療として,レナリドミドとリツキシマブによる生物学的製剤併用療法は有効であった.(Celgene 社とワイルコーネル大学医学部から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01472562)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 1835 - 44. )