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December 24, 2015 Vol. 373 No. 26

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ホジキンリンパ腫の治療後最長 40 年の二次癌リスク
Second Cancer Risk Up to 40 Years after Treatment for Hodgkin’s Lymphoma

M. Schaapveld and Others

背景

ホジキンリンパ腫の生存者は,治療に関連した続発性悪性腫瘍のリスクが高い.比較的毒性の低い治療が 1980 年代後半に導入されたが,二次癌の長期リスクに及ぼす影響は明らかにされていない.

方 法

オランダで,ホジキンリンパ腫に対する治療を開始してから 5 年以上生存した 3,905 例を登録した.治療は 1965~2000 年に,患者が 15~50 歳の時点で開始された.これらの患者における二次癌のリスクを,一般集団における癌発生率に基づく期待リスクと比較した.治療別のリスクを,コホート内で比較した.

結 果

追跡期間中央値 19.1 年のあいだに,908 例で 1,055 個の二次癌が診断され,研究コホートを一般集団と比較した標準化発生比(SIR)は 4.6(95%信頼区間 [CI] 4.3~4.9)であった.治療後 35 年以降もリスクは依然として高く(SIR 3.9,95% CI 2.8~5.4),研究コホートにおける 40 年の時点での二次癌累積発生率は 48.5%(95% CI 45.4~51.5)であった.二次固形癌の累積発生率に,対象期間(1965~76 年,1977~88 年,1989~2000 年)による差は認められなかった(不均一性について P=0.71).乳癌のリスクは,腋窩を含まない横隔膜上部に放射線照射を受けた患者のほうが,マントル照射を受けた患者よりも低かったが(ハザード比 0.37,95% CI 0.19~0.72),1989~2000 年の期間に治療を受けた患者が,それより前の 2 期間に治療を受けた患者よりも低いということはなかった.プロカルバジンの累積投与量が 4.3 g/m2 体表面積以上であること(早期閉経に関連)は,化学療法なしと比較して乳癌のリスクが有意に低いことに関連したが(ハザード比 0.57,95% CI 0.39~0.84),消化器癌のリスクが高いことに関連した(ハザード比 2.70,95% CI 1.69~4.30).

結 論

検討したなかで最新の暦期間(1989~2000 年)に治療を受けた患者では,それより前の期間に治療を受けた患者と比較して,二次固形癌のリスクは低くなってはいないと考えられた.二次癌のリスクが高いという認識は,ホジキンリンパ腫の生存者には依然としてきわめて重要である.(オランダがん協会から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 2499 - 511. )