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August 27, 2015 Vol. 373 No. 9

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夜勤明けの外科医による日中の手術の転帰
Outcomes of Daytime Procedures Performed by Attending Surgeons after Night Work

A. Govindarajan and Others

背景

主治医の睡眠不足が患者の転帰に及ぼす影響は不明である.われわれは,深夜以降にケアを行っていた医師が,日中に待期的手術を行った場合,その転帰に及ぼす影響を評価した.

方 法

カナダのオンタリオ州にて,人口ベースの後ろ向きマッチコホート研究を行った.深夜から午前 7 時まで診療に当たっていた医師がその日の日中に行った 12 種類の待期的手術のうちの 1 つを受けた患者を,同じ医師が,深夜以降は診療に当たらなかった日に行った同じ手術を受けた患者と 1:1 の割合でマッチさせた.転帰には,死亡,再入院,合併症,入院期間,手術時間が含まれた.一般化推定方程式を用いて患者群の転帰を比較した.

結 果

医師 1,448 人による手術を受けた,38,978 例を対象とした.そのうち 40.6%は大学病院で手術を受けていた.深夜以降にケアを行っていた医師に日中に手術を受けた患者と,深夜以降に患者の診療に当たらなかった医師に日中に手術を受けた患者とのあいだで,主要転帰(死亡,再入院,合併症)に有意差は認められなかった(それぞれ 22.2%と 22.4%,P=0.66,補正オッズ比 0.99,95%信頼区間 [CI] 0.95~1.03).大学病院と大学病院ではない病院,医師の年齢,手術の種類で層別化した場合も,転帰に有意差は認められなかった.二次解析では,入院期間にも手術時間にも群間で有意差は認められなかった.

結 論

全体として,日中の待期的手術における有害転帰のリスクは,医師が前夜に診療に当たっていてもいなくても同様であった.(トロント大学医学部長助成金ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 845 - 53. )