The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 24, 2016 Vol. 375 No. 21

急性骨髄性白血病と骨髄異形成症候群における TP53 とデシタビン
TP53 and Decitabine in Acute Myeloid Leukemia and Myelodysplastic Syndromes

J.S. Welch and Others

背景

急性骨髄性白血病(AML)または骨髄異形成症候群(MDS)の患者における,デシタビン(decitabine)投与の臨床反応の分子的決定因子は明らかにされていない.

方 法

体細胞変異を同定し,臨床反応との関連を明らかにする目的で,成人の AML または MDS 患者 84 例を,デシタビンの単一施設試験に登録した.デシタビンは月 1 回のサイクルで,20 mg/m2/日を 10 日間連続投与した.67 例で拡張エクソームまたは遺伝子パネルの配列決定を行い,54 例で変異クリアランスのパターンを評価するため複数の時点で経時的配列決定を行った.デシタビンを異なるプロトコールで投与された別の 32 例を拡大コホートとした.

結 果

全 116 例のうち,53 例(46%)で骨髄芽球クリアランス(芽球<5%)が認められた.反応が認められた割合は,高リスクの細胞遺伝学的プロファイルを有する患者で,中リスクまたは低リスクの細胞遺伝学的プロファイルを有する患者よりも高く(43 例中 29 例 [67%] 対 71 例中 24 例 [34%],P<0.001),TP53 変異を有する患者で,野生型 TP53 を有する患者よりも高かった(21 例中 21 例 [100%] 対 78 例中 32 例 [41%],P<0.001).先行研究では,高リスクの細胞遺伝学的プロファイルと TP53 変異を有する患者に従来の化学療法を行っても転帰は不良であることが一貫して示されている.しかし,このデシタビン 10 日間投与の試験では,これらの 2 つの危険因子はいずれも,中リスクの細胞遺伝学的プロファイルを有する患者よりも全生存率が低いことに関連しなかった.

結 論

高リスクに関連する細胞遺伝学的異常,TP53 変異,またはその両方を有する AML 患者と MDS 患者において,デシタビンの 10 日間連続投与後,良好な臨床反応と確実な(しかし不完全な)変異クリアランスが認められた.これらの反応は持続的ではなかったが,全生存率は,中リスクの細胞遺伝学的プロファイルを有し,デシタビンの 10 日間連続投与を受けた AML 患者と同程度であった.( 米国国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01687400)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 2023 - 36. )