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December 1, 2016 Vol. 375 No. 22

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プラチナ製剤感受性の再発卵巣癌に対するニラパリブ維持療法
Niraparib Maintenance Therapy in Platinum-Sensitive, Recurrent Ovarian Cancer

M.R. Mirza and Others

背景

経口ポリ(アデノシン二リン酸 [ADP] リボース)ポリメラーゼ(PARP)1/2 阻害薬であるニラパリブ(niraparib)は,卵巣癌患者に臨床効果があることが示されている.プラチナ製剤感受性の再発卵巣癌患者の維持療法として,ニラパリブの有効性をプラセボと比較検討した.

方 法

無作為化二重盲検第 3 相試験で,患者を生殖細胞系列 BRCA 変異の有無(gBRCA 変異陽性コホートと gBRCA 変異陰性コホート)と gBRCA 変異陰性の種類で分類し,1 日 1 回ニラパリブ(300 mg)を投与する群とプラセボを投与する群に,2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは無増悪生存期間とした.

結 果

登録された 553 例のうち,gBRCA 変異陽性は 203 例であり(138 例をニラパリブ群,65 例をプラセボ群に割り付けた),gBRCA 変異陰性は 350 例であった(234 例をニラパリブ群,116 例をプラセボ群に割り付けた).ニラパリブ群の患者は,プラセボ群の患者よりも無増悪生存期間中央値が有意に長く,gBRCA 変異陽性コホートでは 21.0 ヵ月に対し 5.5 ヵ月(ハザード比 0.27,95%信頼区間 [CI] 0.17~0.41),gBRCA 変異陰性コホートの相同組換え欠損(HRD)腫瘍を有する患者では 12.9 ヵ月に対し 3.8 ヵ月(ハザード比 0.38,95% CI 0.24~0.59),gBRCA 変異陰性コホート全体では 9.3 ヵ月に対し 3.9 ヵ月(ハザード比 0.45,95% CI 0.34~0.61)であった(3 つの比較すべてについて P<0.001).ニラパリブ群で報告されたグレード 3 または 4 の有害事象で頻度が高かったのは,血小板減少(33.8%),貧血(25.3%),好中球減少(19.6%)であり,いずれも用量を調節することで管理しえた.

結 論

プラチナ製剤感受性の再発卵巣癌で,ニラパリブ投与を受けた患者は,gBRCA 変異の有無または HRD の状態にかかわらず,無増悪生存期間中央値がプラセボ投与を受けた患者よりも有意に長く,中等度の骨髄毒性が認められた.(Tesaro 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01847274)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 2154 - 64. )