不妊女性の子宮卵管造影に用いる油性造影剤と水性造影剤との比較
Oil-Based or Water-Based Contrast for Hysterosalpingography in Infertile Women
K. Dreyer and Others
不妊女性では,子宮卵管造影後に妊娠率が上昇することが報告されているが,使用される造影剤の種類(油性造影剤または水性造影剤)がこのような治療効果の可能性に影響を及ぼすかどうかは明らかではない.
オランダの 27 病院で多施設共同無作為化試験を行い,子宮卵管造影を受ける不妊女性を,造影時に油性造影剤を使用する群と水性造影剤を使用する群に無作為に割り付けた.造影後は,カップルに妊娠指導を行うか,女性に子宮腔内授精を行った.主要評価項目は,無作為化後 6 ヵ月以内の妊娠継続とした.評価項目は,intention-to-treat の原則に基づいて解析した.
1,119 例が,子宮卵管造影に油性造影剤を使用する群(557 例)と水性造影剤を使用する群(562 例)に無作為に割り付けられた.油性群 554 例中 220 例(39.7%)と水性群 554 例中 161 例(29.1%)で妊娠が継続し(率比 1.37,95%信頼区間 [CI] 1.16~1.61,P<0.001),油性群 552 例中 214 例(38.8%)と水性群 552 例中 155 例(28.1%)が生児を出産した(率比 1.38,95% CI 1.17~1.64,P<0.001).有害事象の発現率は両群ともに低く,同程度であった.
妊娠継続率と生児出産率は,油性造影剤を使用して子宮卵管造影を受けた女性のほうが,水性造影剤を使用して子宮卵管造影を受けた女性よりも高かった.(Netherlands Trial Register 番号 NTR3270)