IV 期または再発性の非小細胞肺癌に対する第一選択薬としてのニボルマブ
First-Line Nivolumab in Stage IV or Recurrent Non–Small-Cell Lung Cancer
D.P. Carbone and Others
治療歴のある非小細胞肺癌(NSCLC)患者において,ニボルマブは,ドセタキセルと比較して全生存期間の延長に関連することが示されている.われわれは,非盲検第 3 相試験において,プログラム死リガンド 1(PD-L1)陽性の NSCLC 患者に対する第一選択薬としてのニボルマブを化学療法と比較した.
未治療の IV 期または再発性の NSCLC で腫瘍細胞中のPD-L1 発現細胞の割合が 1%以上の患者を,ニボルマブ群(3 mg/kg を2 週ごとに 1 回静脈内投与)とプラチナベースの化学療法群(3 週ごとに 1 回,最大 6 サイクル投与)に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.化学療法群の患者は,病勢進行を認めた場合にニボルマブ投与へのクロスオーバーを可能とした.主要エンドポイントは,PD-L1 発現細胞の割合が 5%以上の患者における無増悪生存期間とし,盲検下での独立した中央判定により評価した.
PD-L1 発現細胞の割合が 5%以上の 423 例において,無増悪生存期間の中央値は,ニボルマブ群 4.2 ヵ月に対し化学療法群 5.9 ヵ月(病勢進行または死亡のハザード比 1.15,95%信頼区間 [CI] 0.91~1.45,P=0.25),全生存期間の中央値は 14.4 ヵ月に対し 13.2 ヵ月(死亡のハザード比 1.02,95% CI 0.80~1.30)であった.化学療法群 212 例中 128 例(60%)はその後ニボルマブの投与を受けた.あらゆるグレードの治療関連有害事象は,ニボルマブ群の 71%と化学療法群の 92%で発現した.グレード 3 または 4 の治療関連有害事象は,ニボルマブ群の 18%と化学療法群の 51%で発現した.
未治療の IV 期または再発性の NSCLC で PD-L1 発現細胞の割合が 5%以上の患者において,ニボルマブは,化学療法と比較して有意に長い無増悪生存期間に関連しなかった.全生存期間は 2 群で同程度であった.ニボルマブの安全性プロファイルは,化学療法と比較して良好であり,新たなまたは予期せぬ安全性シグナルは認められなかった.(Bristol-Myers Squibb 社ほかから研究助成を受けた.CheckMate 026 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02041533)