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February 9, 2017 Vol. 376 No. 6

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医療機器の安全性に関する登録ベースの前向き積極的監視
Registry-Based Prospective, Active Surveillance of Medical-Device Safety

F.S. Resnic and Others

背景

医療機器の安全性を保証するプロセスは,有害事象の自発報告に依存していることで妨げられている.われわれは,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の有害事象増加との関連が疑われた植込み型血管閉鎖デバイスの安全性をモニタリングするため,全米臨床登録に対する前向き積極的監視戦略を評価した.

方 法

統合型臨床データサーベイランスシステムを用いて,全米心血管データ登録(NCDR)の CathPCI 登録データをもとに,血管閉鎖デバイス Mynx の安全性を,他の承認済み血管閉鎖デバイスと比較する前向き傾向スコアマッチング分析を行った.主要評価項目はすべての血管合併症とし,穿刺部出血,穿刺部血腫,後腹膜出血,介入を要するすべての血管合併症の複合とした.副次的安全性評価項目は,治療を要する穿刺部出血と術後の輸血とした.

結 果

2011 年 1 月 1 日~2013 年 9 月 30 日に大腿動脈アプローチによる PCI 時に Mynx デバイスを用いた 73,124 例のデータを解析した.Mynx デバイスは,他の血管閉鎖デバイスと比較して,すべての血管合併症のリスクが有意に高いことに関連し(絶対リスク 1.2% 対 0.8%,相対リスク 1.59,95%信頼区間 [CI] 1.42~1.78,P<0.001),穿刺部出血のリスク(絶対リスク 0.4% 対 0.3%,相対リスク 1.34,95% CI 1.10~1.62,P=0.001),輸血のリスク(絶対リスク 1.8% 対 1.5%,相対リスク 1.23,95% CI 1.13~1.34,P<0.001)も有意に高かった.最初の警告は,モニタリング開始後 12 ヵ月以内に発せられた.事前に規定した,糖尿病患者,70 歳以上の患者,女性の 3 つの高リスクサブグループでは,相対リスクがより高かった.すべての安全性警告は,2014 年 4 月 1 日~2015 年 9 月 30 日に Mynx デバイスを用いて PCI が施行された 48,992 例の独立したサンプルで確認された.

結 論

臨床登録の前向き積極的監視戦略で,植込み型血管閉鎖デバイスのレシピエントにおける潜在的安全性シグナルが迅速に検出され,最初の警告がモニタリング開始後 12 ヵ月以内に発せられた.(米国食品医薬品局ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 526 - 35. )