The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 5, 2017 Vol. 377 No. 14

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

安定心血管疾患におけるアスピリン併用または非併用下でのリバーロキサバン
Rivaroxaban with or without Aspirin in Stable Cardiovascular Disease

J.W. Eikelboom and Others

背景

心血管疾患の二次予防に,リバーロキサバンの単独またはアスピリンとの併用が,アスピリン単独と比較して有効であるかどうかを評価した.

方 法

二重盲検試験において,安定動脈硬化性疾患患者 27,395 例を,リバーロキサバン(2.5 mg を 1 日 2 回)+アスピリン(100 mg を 1 日 1 回)群,リバーロキサバン(5 mg を 1 日 2 回)群,アスピリン(100 mg を 1 日 1 回)群に無作為に割り付けた.心血管死亡,脳卒中,心筋梗塞の複合を主要転帰とした.平均追跡期間 23 ヵ月の時点でリバーロキサバン+アスピリン群の優越性が認められたため,試験は中止された.

結 果

リバーロキサバン+アスピリン群では,アスピリン単独群と比較して主要転帰が発生した患者数は少なかったが(379 例 [4.1%] 対 496 例 [5.4%];ハザード比 0.76,95%信頼区間 [CI] 0.66~0.86;P<0.001;z=-4.126),重大な出血イベントが発生した患者数は多かった(288 例 [3.1%] 対 170 例 [1.9%];ハザード比 1.70,95% CI 1.40~2.05;P<0.001).頭蓋内出血や致死的出血の発生に群間で有意差は認められなかった.リバーロキサバン+アスピリン群では 313 例(3.4%)が死亡したのに対し,アスピリン単独群では 378 例(4.1%)が死亡した(ハザード比 0.82,95% CI 0.71~0.96;P=0.01;有意性を示す P 値の閾値 0.0025).リバーロキサバン単独群では,アスピリン単独群と比較して主要転帰が発生した患者数に有意な減少は認められなかったが,重大な出血イベントが発生した患者数は多かった.

結 論

安定動脈硬化性疾患患者のうち,リバーロキサバン(2.5 mg を 1 日 2 回)+アスピリン群に割り付けられた例は,アスピリン単独群に割り付けられた例と比較して心血管転帰が良好であり,重大な出血イベントが多く発生した.リバーロキサバン(5 mg を 1 日 2 回)単独群に割り付けられた例は,アスピリン単独群に割り付けられた例と比較して心血管転帰に改善はみられず,重大な出血イベントが多く発生した.(Bayer 社から研究助成を受けた.COMPASS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01776424)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1319 - 30. )