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November 9, 2017 Vol. 377 No. 19

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輸血用赤血球の保存期間と急性・重症成人患者の転帰
Age of Red Cells for Transfusion and Outcomes in Critically Ill Adults

D.J. Cooper and Others

背景

赤血球の保存期間が,急性・重症成人患者の輸血後の死亡率に影響するかどうかは明らかにされていない.

方 法

国際多施設共同無作為化二重盲検試験において,急性・重症成人患者を,利用可能な赤血球のうち,保存期間がもっとも短い適合同種赤血球を輸血する群(短期保存群)と,標準供給(利用可能な赤血球のうち保存期間がもっとも長い)の適合同種赤血球を輸血する群(長期保存群)に割り付けた.90 日死亡率を主要評価項目とした.

結 果

2012 年 11 月~2016 年 12 月に,5 ヵ国 59 施設で 4,994 例を無作為化し,4,919 例(98.5%)を主要解析の対象とした.短期保存群 2,457 例の平均保存期間は 11.8 日,長期保存群 2,462 例の平均保存期間は 22.4 日であった.90 日の時点で,死亡数は短期保存群が 610 例(24.8%),長期保存群が 594 例(24.1%)であった(絶対リスク差 0.7 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -1.7~3.1,P=0.57).180 日の時点で,絶対リスク差は 0.4 パーセントポイント(95% CI -2.1~3.0)であった(P=0.75).事前に規定した副次的評価項目の大半に,群間で有意差は認められなかった.

結 論

輸血された赤血球の保存期間は,急性・重症成人患者の 90 日死亡率に影響しなかった.(オーストラリア国立保健医療研究審議会ほかから研究助成を受けた.TRANSFUSE 試験:Australian and New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12612000453886,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01638416)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1858 - 67. )