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August 24, 2017 Vol. 377 No. 8

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1990~2015 年の世界,地域,国におけるリウマチ性心疾患の負担
Global, Regional, and National Burden of Rheumatic Heart Disease, 1990–2015

D.A. Watkins and Others

背景

リウマチ性心疾患は,とくに低・中所得国では依然として心血管系の障害・死亡の重要かつ予防可能な原因である.われわれは,世界疾病負担(GBD)研究 2015 の一環として,リウマチ性心疾患の有病率および死亡率の,世界,地域,国における動向を推定した.

方 法

1990~2015 年の致死的・非致死的リウマチ性心疾患に関するデータを系統的に解析した.GBD 研究用に開発された解析ツールである死因集合モデルと DisMod-MR 2.1 の 2 つを用いて,死亡率および有病率の推定を,不確実性の評価とともに行った.

結 果

2015 年のリウマチ性心疾患による死亡は 319,400 件(95%不確実性区間 297,300~337,300)と推定された.世界のリウマチ性心疾患の年齢調整死亡率は,1990 年から 2015 年にかけて 47.8%(95%不確実性区間 44.7~50.9)減少したが,地域によって大きな差が認められた.2015 年に,リウマチ性心疾患の年齢調整死亡率および有病率がとくに高かったのは,オセアニア,南アジア,サハラ以南の中央アフリカであった.2015 年の世界のリウマチ性心疾患症例数は 3,340 万例(95%不確実性区間 2,970 万~4,310 万),リウマチ性心疾患の障害調整生存年数は 1,050 万(95%不確実性区間 960 万~1,150 万)と推定された.

結 論

25 年間のリウマチ性心疾患の有病率および死亡率を地球規模で推定した.リウマチ性心疾患の健康に関連する負担は世界的に低下したが,世界でもっとも貧しい地域の一部では,有病率および死亡率は依然として高かった.(ビル&メリンダ・ゲイツ財団,Medtronic 財団から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 713 - 22. )