The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 12, 2018 Vol. 379 No. 2

閉経前乳癌に対する術後補助内分泌療法の調整
Tailoring Adjuvant Endocrine Therapy for Premenopausal Breast Cancer

P.A. Francis and Others

背景

卵巣機能抑制試験(SOFT)と,タモキシフェンとエキセメスタンの比較試験(TEXT)では,閉経前女性の乳癌の 5 年再発率は,アロマターゼ阻害薬エキセメスタン+卵巣機能抑制を受けた例のほうが,タモキシフェン+卵巣機能抑制を受けた例よりも有意に低かった.タモキシフェンに卵巣機能抑制を追加しても,タモキシフェン単独と比較して再発率が有意に低くなることはなかった.今回,これらの 2 試験の最新の結果を報告する.

方 法

閉経前女性を,SOFT 試験ではタモキシフェン単独群,タモキシフェン+卵巣機能抑制群,エキセメスタン+卵巣機能抑制群のいずれかに,TEXT 試験ではタモキシフェン+卵巣機能抑制群,エキセメスタン+卵巣機能抑制群のいずれかに無作為に割り付け,5 年間治療を行った.無作為化は化学療法歴の有無で層別化して行った.

結 果

SOFT 試験における 8 年無病生存率は,タモキシフェン単独群 78.9%,タモキシフェン+卵巣機能抑制群 83.2%,エキセメスタン+卵巣機能抑制群 85.9%であった(タモキシフェン単独群とタモキシフェン+卵巣機能抑制群との比較で P=0.009).8 年全生存率は,タモキシフェン単独群 91.5%,タモキシフェン+卵巣機能抑制群 93.3%,エキセメスタン+卵巣機能抑制群 92.1%であり(タモキシフェン単独群とタモキシフェン+卵巣機能抑制群との比較で P=0.01),化学療法後も閉経していなかった女性ではそれぞれ 85.1%,89.4%,87.2%であった.HER2 陰性乳癌を有し,化学療法歴がある女性では,8 年遠隔再発率はエキセメスタン+卵巣機能抑制群のほうがタモキシフェン+卵巣機能抑制群よりも低かった(SOFT 試験では 7.0 パーセントポイントの差,TEXT 試験では 5.0 パーセントポイントの差).グレード 3 以上の有害事象は,タモキシフェン単独群の 24.6%,タモキシフェン+卵巣機能抑制群の 31.0%,エキセメスタン+卵巣機能抑制群の 32.3%で報告された.

結 論

乳癌を有する閉経前女性では,タモキシフェンに卵巣機能抑制を追加した場合,8 年の時点における無病生存率と全生存率の両方が,タモキシフェン単独と比較して有意に高くなった.エキセメスタンに卵巣機能抑制を追加すると,さらに高い無再発率が得られた.有害事象の頻度は,卵巣機能抑制を用いた 2 群のほうがタモキシフェン単独群よりも高かった.(Pfizer 社ほかから研究助成を受けた.SOFT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00066690,TEXT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00066703)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 122 - 37. )