The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

October 18, 2018 Vol. 379 No. 16

糖尿病における n–3 脂肪酸サプリメントの効果
Effects of n–3 Fatty Acid Supplements in Diabetes Mellitus

The ASCEND Study Collaborative Group

背景

n–3 脂肪酸の摂取量が多いことは,心血管疾患リスクが低いことに関連することが観察研究で示されているが,この知見は無作為化試験では確認されていない.糖尿病患者において,n–3(ω3 とも呼ばれる)脂肪酸の補給が心血管系に利益があるかどうかはまだ明らかにされていない.

方 法

糖尿病を有するがアテローム性動脈硬化性心血管疾患の所見を認めない患者 15,480 例を,n–3 脂肪酸を含有する 1 g カプセルを毎日摂取する群(脂肪酸群)とマッチさせたプラセボ(オリーブオイル)を毎日摂取する群(プラセボ群)に無作為に割り付けた.主要転帰は,初回の重篤な血管イベント(非致死的心筋梗塞または脳梗塞,一過性脳虚血発作,血管系死亡のいずれかで,確認された頭蓋内出血は除く)とした.副次的転帰は,初回の重篤な血管イベントまたは動脈血行再建とした.

結 果

平均追跡期間 7.4 年間(アドヒアランス率 76%)に,重篤な血管イベントは脂肪酸群では 689 例(8.9%),プラセボ群では 712 例(9.2%)に発生した(率比 0.97,95%信頼区間 [CI] 0.87~1.08,P=0.55).重篤な血管イベントまたは血行再建の複合転帰は,脂肪酸群では 882 例(11.4%),プラセボ群では 887 例(11.5%)に発生した(率比 1.00,95% CI 0.91~1.09).全死因死亡は脂肪酸群では 752 例(9.7%),プラセボ群では 788 例(10.2%)に発生した(率比 0.95,95% CI 0.86~1.05).重篤な非致死的有害事象の発現率に群間で有意差は認められなかった.

結 論

糖尿病を有するが心血管疾患の所見を認めない患者では,n–3 脂肪酸に割り付けられた例とプラセボに割り付けられた例とのあいだで重篤な血管イベントのリスクに有意差は認められなかった.( 英国心臓財団ほかから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN60635500,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00135226)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1540 - 50. )