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November 1, 2018 Vol. 379 No. 18

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非ホジキンリンパ腫における Hu5F9-G4 による CD47 阻害とリツキシマブ
CD47 Blockade by Hu5F9-G4 and Rituximab in Non-Hodgkin's Lymphoma

R. Advani and Others

背景

Hu5F9-G4(5F9)抗体は,CD47 を阻害するマクロファージ免疫チェックポイント阻害薬であり,腫瘍細胞の貪食を誘導する.5F9 はリツキシマブとの相乗作用により,マクロファージが介在する抗体依存性細胞貪食を増強して,B 細胞非ホジキンリンパ腫細胞を除去する.この併用について臨床的に評価した.

方 法

再発または難治性の非ホジキンリンパ腫患者を対象とした第 1b 相試験を行った.患者は,びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL)または濾胞性リンパ腫を有していた可能性がある.安全性と有効性を明らかにし,第 2 相試験の用量を提案することを目的として,5F9(初回用量は 1 mg/kg 体重で静脈内投与,維持用量は 10~30 mg/kg 週 1 回)をリツキシマブと併用した.

結 果

22 例(DLBCL 15 例,濾胞性リンパ腫 7 例)を組み入れた.前治療数の中央値は 4(範囲 2~10)であり,患者の 95%がリツキシマブ抵抗性の非ホジキンリンパ腫を有していた.有害事象は主にグレード 1 または 2 であった.とくに頻度の高かった有害事象は貧血と注入に伴う反応であった.貧血(予測されていた標的作用)は,5F9 の初回投与と維持投与の戦略によって軽減された.用量制限副作用はまれであった.第 2 相試験の 5F9 の用量として選択された 30 mg/kg により,循環血中の白血球と赤血球における CD47 受容体占有率は約 100%となった.患者の 50%で客観的(完全または部分)奏効が得られ,36%で完全奏効が得られた.客観的奏効率と完全奏効率は,DLBCL 患者でそれぞれ 40%と 33%,濾胞性リンパ腫患者で 71%と 43%であった.追跡期間中央値が DLBCL 患者で 6.2 ヵ月,濾胞性リンパ腫患者で 8.1 ヵ月の時点で,奏効を認めた患者の 91%で奏効が持続していた.

結 論

中悪性度と低悪性度のリンパ腫患者において,マクロファージチェックポイント阻害薬 5F9 をリツキシマブと併用することで,有望な活性が示された.この初期試験では,臨床的に重要な安全性イベントは認められなかった.(Forty Seven 社,米国白血病リンパ腫協会から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02953509)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1711 - 21. )