December 13, 2018 Vol. 379 No. 24
二次性僧帽弁閉鎖不全症に対する経皮的修復と薬物治療との比較
Percutaneous Repair or Medical Treatment for Secondary Mitral Regurgitation
J.-F. Obadia and Others
左室駆出率の低下した慢性心不全患者では,重症の二次性僧帽弁閉鎖不全症は予後不良に関連する.この患者集団において,経皮的僧帽弁修復が臨床転帰を改善するかどうかは明らかではない.
重症の二次性僧帽弁閉鎖不全症(有効逆流弁口面積が 20 mm2 超または逆流量が 1 心拍あたり 30 mL 超と定義)を有し,左室駆出率が 15~40%で,症候性心不全を有する患者を,薬物療法に加え経皮的僧帽弁修復を行う群(介入群,152 例)と薬物療法のみを行う群(対照群,152 例)に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要有効性転帰は,12 ヵ月の時点における全死因死亡または心不全による予定外の入院の複合とした.
12 ヵ月の時点で,主要転帰の発生率は介入群で 54.6%(152 例中 83 例),対照群で 51.3%(152 例中 78 例)であった(オッズ比 1.16,95%信頼区間 [CI] 0.73~1.84,P=0.53).全死因死亡率は介入群で 24.3%(152 例中 37 例),対照群で 22.4%(152 例中 34 例)であった(ハザード比 1.11,95% CI 0.69~1.77).心不全による予定外の入院率は介入群で 48.7%(152 例中 74 例),対照群で 47.4%(152 例中 72 例)であった(ハザード比 1.13,95% CI 0.81~1.56).
重症の二次性僧帽弁閉鎖不全症患者において,薬物療法に加え経皮的僧帽弁修復を行った患者と薬物療法のみを行った患者とのあいだで,1 年の時点における死亡率や心不全による予定外の入院率に有意差は認められなかった.(French Ministry of Health and Research National Program,Abbott Vascular 社から研究助成を受けた.MITRA-FR 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01920698)