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March 28, 2019 Vol. 380 No. 13

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非転移性去勢抵抗性前立腺癌に対するダロルタミド
Darolutamide in Nonmetastatic, Castration-Resistant Prostate Cancer

K. Fizazi and Others

背景

ダロルタミド(darolutamide)は,前立腺癌の治療薬として開発中の,特有の構造をもつアンドロゲン受容体拮抗薬である.非転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の転移と死亡の抑制におけるダロルタミドの有効性を評価した.

方 法

非転移性去勢抵抗性前立腺癌を有し,前立腺特異抗原(PSA)倍加時間が 10 ヵ月以下の患者を対象に,無作為化二重盲検プラセボ対照第 3 相試験を行った.患者を,アンドロゲン除去療法を継続しながら,ダロルタミド(600 mg [300 mg 錠 2 錠] 1 日 2 回)を投与する群とプラセボを投与する群に,2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は無転移生存期間とし,転移の存在は 16 週ごとに放射線画像を独立中央判定機関が見直して判定した.

結 果

1,509 例が無作為化された(ダロルタミド群 955 例,プラセボ群 554 例).計画されていた主要解析は,主要評価項目のイベントが 437 件発生したあとに行われ,無転移生存期間の中央値はダロルタミド群で 40.4 ヵ月であったのに対し,プラセボ群では 18.4 ヵ月であった(ダロルタミド群の転移または死亡のハザード比 0.41,95%信頼区間 0.34~0.50,P<0.001).ダロルタミドは,全生存期間,疼痛増悪までの期間,細胞毒性化学療法開始までの期間,症候性骨関連イベントが発生するまでの期間などの副次的評価項目のすべてにおいて利益に関連した.投与期間中に発現または悪化した,頻度 5%以上またはグレード 3 以上の有害事象の発現率は 2 群で同程度であり,疲労を除き,そのような有害事象が発現したのは各群 10%未満であった.有害事象が原因で割り付けられたレジメンを中止した患者の割合はダロルタミド群で 8.9%,プラセボ群で 8.7%であった.ダロルタミドは,プラセボよりも痙攣発作,転倒,骨折,認知障害,高血圧の発生率が高いこととは関連しなかった.

結 論

非転移性去勢抵抗性前立腺癌患者において,無転移生存期間はダロルタミド群のほうがプラセボ群よりも有意に長かった.有害事象の発現率は,ダロルタミド群とプラセボ群とで同程度であった.(バイエル ヘルスケア社,オリオン ファーマ社から研究助成を受けた.ARAMIS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02200614)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 1235 - 46. )