The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 29, 2019 Vol. 381 No. 9

HIV 治療のためのドルテグラビルに併用する 2 種類のテノホビルプロドラッグの比較
Dolutegravir plus Two Different Prodrugs of Tenofovir to Treat HIV

W.D.F. Venter and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に対する抗レトロウイルス療法(ART)レジメンに,ドルテグラビル(DTG)とテノホビル アラフェナミドフマル酸塩(TAF)の 2 剤を含めることが検討されている.低・中所得国でのそれらの使用に関するデータは限られている.

方 法

南アフリカで 96 週間の第 3 相研究者主導型非盲検無作為化試験を行い,エムトリシタビン(FTC)+DTG にテノホビルのプロドラッグである TAF(TAF ベース群)またはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)(TDF ベース群)を組み合わせる 3 剤レジメンを,地域の標準治療レジメンである TDF+FTC+エファビレンツ(標準治療群)と比較した.選択基準は,12 歳以上,6 ヵ月以内の ART 歴なし,クレアチニンクリアランスが 60 mL/分超(19 歳未満>80 mL/分),HIV-1 RNA 量が 500 コピー/mL 以上などとした.主要評価項目は,48 週の時点での HIV-1 RNA 量が 50 コピー/mL 未満であった患者の割合とした(米国食品医薬品局のスナップショットアルゴリズムにより判定,非劣性マージン -10 パーセントポイント).主要評価項目である 48 週の時点での有効性と,安全性のデータを報告する.

結 果

2017 年 2 月~2018 年 5 月に 1,053 例を無作為化した.患者の 99%超が黒人であり,59%が女性であった.平均年齢は 32 歳であり,平均 CD4 細胞数は 337/mm3 であった.48 週の時点で HIV-1 RNA 量が 50 コピー/mL 未満であった患者の割合は,TAF ベース群 84%,TDF ベース群 85%,標準治療群 79%であり,DTG を含むレジメンは標準治療レジメンに対し非劣性であることが示された.試験レジメンを中止した患者の数は標準治療群のほうがほかの 2 群よりも多かった.per-protocol 集団では,標準治療レジメンにほかの 2 つのレジメンと同等の効力が認められた.TAF ベースのレジメンは,ほかのレジメンよりも骨密度と腎機能への影響が小さかった.体重増加(除脂肪量と脂肪量のいずれも)がとくに大きかったのは TAF ベース群で,そして女性で大きかった(増加の平均は TAF ベース群の女性 6.4 kg,TDF ベース群の女性 3.2 kg,標準治療群の女性 1.7 kg).DTG を含むレジメンを受けた患者に,インテグラーゼ阻害薬に対する耐性は認められなかった.

結 論

DTG にテノホビルの 2 種類のプロドラッグ(TAF と TDF)のいずれかを併用する治療は,有効性に関して,標準治療レジメンによる治療に対し非劣性を示した.DTG を含むレジメンでは,とくに TAF と併用した場合に,標準治療レジメンと比較して体重増加が有意に大きかった.(ADVANCE 試験: ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03122262)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 803 - 15. )