再発性または難治性のマントル細胞リンパ腫に対する KTE-X19 CAR-T 細胞療法
KTE-X19 CAR T-Cell Therapy in Relapsed or Refractory Mantle-Cell Lymphoma
M. Wang and Others
再発性または難治性のマントル細胞リンパ腫を有し,ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬による治療中または治療後に病勢が進行した患者は,予後が不良である.抗 CD19 キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞療法である KTE-X19 は,再発性または難治性のマントル細胞リンパ腫患者に利益をもたらす可能性がある.
多施設共同第 2 相試験で,再発性または難治性のマントル細胞リンパ腫患者に対する KTE-X19 を評価した.患者は,最大 5 種類の前治療を受けた後に再発したか抵抗性を示した疾患を有し,全例が以前に BTK 阻害薬治療を受けていることとした.患者は,白血球アフェレーシスと任意のブリッジング療法を受けた後,コンディショニング化学療法と 2×106 CAR-T 細胞/kg 体重の KTE-X19 の単回注入を受けた.主要エンドポイントは客観的奏効(完全奏効または部分奏効)を示した患者の割合とし,奏効は独立した画像判定委員会が Lugano 分類で評価した.研究計画では,主要有効性解析は,60 例が治療を受け 7 ヵ月間追跡された後に行う予定とした.
74 例を組み入れた.KTE-X19 は 71 例に対して製造され,68 例に投与された.主要有効性解析では,その対象であった 60 例のうち 93%(95%信頼区間 [CI] 84~98)が客観的奏効を示し,67%(95% CI 53~78)が完全奏効を示した.74 例全例を対象とした intention-to-treat 解析では,85%が客観的奏効を示し,59%が完全奏効を示した.追跡期間中央値 12.3 ヵ月(範囲 7.0~32.3)の時点で,主要有効性解析対象の 60 例のうち 57%が寛解状態にあった.12 ヵ月の時点で,無増悪生存率と全生存率の推定値はそれぞれ 61%と 83%であった.頻度の高かったグレード 3 以上の有害事象は,血球減少(患者の 94%)と感染症(32%)であった.グレード 3 以上のサイトカイン放出症候群と神経学的イベントがそれぞれ患者の 15%と 31%に発現したが,いずれも致死的ではなかった.グレード 5 の感染性有害事象が 2 例に生じた.
KTE-X19 は,再発性または難治性のマントル細胞リンパ腫患者の大部分で持続的寛解を誘導した.この治療がもたらした生命を脅かす重篤な毒性は,他の CAR-T 細胞療法で報告された毒性と一致していた.(カイト社 [ギリアド社の子会社] から研究助成を受けた.ZUMA-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02601313)