The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 23, 2020 Vol. 382 No. 4

オーストラリアの思春期児における B 群髄膜炎菌ワクチンおよび髄膜炎菌の保菌
Meningococcal B Vaccine and Meningococcal Carriage in Adolescents in Australia

H.S. Marshall and Others

背景

B 群髄膜炎菌ワクチン 4CMenB は,侵襲性 B 群髄膜炎菌感染症の予防に認可されている新しい組換え蛋白ベースのワクチンである.しかし,伝播の予防と,ひいては集団免疫の誘導における 4CMenB の役割は明らかにされていない.

方 法

南オーストラリア州でクラスター無作為化試験を行い,学校ごとに 10~12 年生(年齢 15~18 歳)の生徒を,4CMenB ワクチンをベースラインに接種する(介入)群と,12 ヵ月の時点で接種する(対照)群に割り付けた.主要評価項目は,10 年生と 11 年生の時点での病原性髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)(A 群,B 群,C 群,W 群,X 群,Y 群のいずれか)の口腔咽頭保菌とし,PorA(ポリン蛋白 A をコードする)と髄膜炎菌の遺伝子群のポリメラーゼ連鎖反応検査により同定した.副次的評価項目は,すべての髄膜炎菌および各病原性遺伝子群の保菌率,感染とした.ベースライン時に保菌の危険因子を評価した.

結 果

237 校が参加した.2017 年 4 月~6 月に,10 年生と 11 年生計 24,269 例と 12 年生 10,220 例が登録された.12 ヵ月の時点での病原性髄膜炎菌の保菌率に,ワクチン接種群(2.55%,12,746 例中 326 例)と対照群(2.52%,11,523 例中 291 例)とのあいだに差は認められなかった(補正オッズ比 1.02,95%信頼区間 [CI] 0.80~1.31,P=0.85).保菌に関する副次的評価項目に有意差は認められなかった.ベースライン時の病原性髄膜炎菌保菌の危険因子には,高学年であること(12 年生の 10 年生に対する補正オッズ比 2.75,95% CI 2.03~3.73),上気道感染症に現在罹患していること(補正オッズ比 1.35,95% CI 1.12~1.63),喫煙(補正オッズ比 1.91,95% CI 1.29~2.83),水たばこの使用(補正オッズ比 1.82,95% CI 1.30~2.54),パブやクラブに行くこと(補正オッズ比 1.54,95% CI 1.28~1.86),濃厚なキス(補正オッズ比 1.65,95% CI 1.33~2.05)が含まれた.ワクチンの安全性に関する懸念は認められなかった.

結 論

オーストラリアの思春期児において,4CMenB ワクチンは,B 群を含む病原性髄膜炎菌の保菌に対して識別可能な効果はなかった.(グラクソ・スミスクライン社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03089086)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 318 - 27. )