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December 24, 2020 Vol. 383 No. 26

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第一寛解期にある急性骨髄性白血病に対する経口アザシチジン維持療法
Oral Azacitidine Maintenance Therapy for Acute Myeloid Leukemia in First Remission

A.H. Wei and Others

背景

比較的年齢の高い急性骨髄性白血病(AML)患者の多くは導入化学療法で寛解が得られるが,再発の頻度が高く,全生存率は不良である.

方 法

強化化学療法後に第一寛解期にある AML 患者を対象に,維持療法としてのアザシチジン経口製剤(CC-486,注射製剤のアザシチジンとは生物学的に同等でないメチル化阻害薬)の第 3 相無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った.55 歳以上で,血球数の完全な回復の有無を問わず完全寛解を得ており,造血幹細胞移植の候補ではない患者を,28 日サイクルで CC-486(300 mg)を 1 日 1 回 14 日間投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは全生存期間とした.副次的エンドポイントは無再発生存期間,健康関連 QOL などとした.

結 果

472 例が無作為化され,238 例が CC-486 群,234 例がプラセボ群に割り付けられた.年齢中央値は 68 歳(55~86 歳)であった.無作為化の時点からの全生存期間の中央値は CC-486 群のほうがプラセボ群よりも有意に長かった(それぞれ 24.7 ヵ月と 14.8 ヵ月,P<0.001).無再発生存期間の中央値も CC-486 群のほうがプラセボ群よりも有意に長かった(それぞれ 10.2 ヵ月と 4.8 ヵ月,P<0.001).ベースライン特性で定義したサブグループの大部分でも,CC-486 による全生存期間と無再発生存期間に関する利益が認められた.両群でもっとも頻度の高かった有害事象は,グレード 1 または 2 の消化器系の症状であった.グレード 3 または 4 の有害事象で頻度が高かったのは,好中球減少(CC-486 群 41%,プラセボ群 24%)と血小板減少(それぞれ 22%,21%)であった.全般的な健康関連 QOL は CC-486 投与中も維持されていた.

結 論

化学療法後に寛解を維持している比較的年齢の高い AML 患者において,CC-486 による維持療法は,全生存期間と無再発生存期間がプラセボと比較して有意に長いことと関連していた.副作用は主に消化器系の症状と好中球減少であった.QOL の指標は投与中も維持されていた.(セルジーン社から支援を受けた.QUAZAR AML-001 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01757535)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 2526 - 37. )