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November 11, 2021 Vol. 385 No. 20

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持続性,再発,または転移性の子宮頸癌に対するペムブロリズマブ
Pembrolizumab for Persistent, Recurrent, or Metastatic Cervical Cancer

N. Colombo and Others

背景

ペムブロリズマブは,化学療法中に進行したプログラム死リガンド 1(PD-L1)陽性の転移性または切除不能の子宮頸癌に有効である.ベバシズマブを併用する,または併用しない化学療法に,ペムブロリズマブを追加した場合の相対的利益を評価した.

方 法

二重盲検第 3 相試験で,持続性,再発,または転移性の子宮頸癌患者を,ペムブロリズマブ(200 mg)を 3 週ごとに最大 35 サイクル投与する群と,プラセボを投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.全例に白金製剤ベースの化学療法を行い,試験担当医師の判断でベバシズマブを投与した.主要エンドポイントは,無増悪生存と全生存の 2 つとし,それぞれを PD-L1 複合発現スコア 1 以上の患者集団,intention-to-treat 集団,PD-L1 複合発現スコア 10 以上の患者集団で逐次的に評価した.複合発現スコアは,PD-L1 免疫染色陽性細胞数を生存腫瘍細胞の総数で除して 100 を乗じた値と定義した.結果はすべて,試験実施計画書に規定した最初の中間解析で得られたものである.

結 果

PD-L1 複合発現スコア 1 以上の患者集団 548 例では,無増悪生存期間の中央値はペムブロリズマブ群 10.4 ヵ月,プラセボ群 8.2 ヵ月であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.62,95%信頼区間 [CI] 0.50~0.77,P<0.001).intention-to-treat 集団 617 例では,それぞれ 10.4 ヵ月と 8.2 ヵ月であった(ハザード比 0.65,95% CI 0.53~0.79,P<0.001).PD-L1 複合発現スコア 10 以上の患者集団 317 例では,それぞれ 10.4 ヵ月と 8.1 ヵ月であった(ハザード比 0.58,95% CI 0.44~0.77,P<0.001).24 ヵ月全生存率は,PD-L1 複合発現スコア 1 以上の患者集団ではペムブロリズマブ群 53.0%,プラセボ群 41.7%(死亡のハザード比 0.64,95% CI 0.50~0.81,P<0.001),intention-to-treat 集団では 50.4%と 40.4%(ハザード比 0.67,95% CI 0.54~0.84,P<0.001),PD-L1 複合発現スコア 10 以上の患者集団では 54.4%と 44.6%(ハザード比 0.61,95% CI 0.44~0.84,P=0.001)であった.グレード 3~5 の有害事象でとくに頻度が高かったのは,貧血(ペムブロリズマブ群 30.3%,プラセボ群 26.9%)と好中球減少(それぞれ 12.4%,9.7%)であった.

結 論

ベバシズマブを併用する,または併用しない化学療法を受けている持続性,再発,または転移性の子宮頸癌患者において,ペムブロリズマブの追加により,プラセボと比較して無増悪生存期間と全生存期間が有意に延長した.(メルク シャープ&ドーム社から研究助成を受けた.KEYNOTE-826 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03635567)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 385 : 1856 - 67. )