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January 6, 2022 Vol. 386 No. 1

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未治療進行悪性黒色腫に対するレラトリマブ+ニボルマブとニボルマブ単剤との比較
Relatlimab and Nivolumab versus Nivolumab in Untreated Advanced Melanoma

H.A. Tawbi and Others

背景

リンパ球活性化遺伝子 3(LAG-3)とプログラム細胞死 1(PD-1)は,異なる抑制性免疫チェックポイントであり,T 細胞の疲弊に寄与する.抗 LAG-3 抗体レラトリマブ(relatlimab)と抗 PD-1 抗体ニボルマブの併用は,治療歴のある悪性黒色腫患者においては安全であり,抗腫瘍活性があることが示されているが,治療歴のない悪性黒色腫患者における安全性と活性については調査が必要である.

方 法

第 2・3 相国際二重盲検無作為化試験で,治療歴のない転移性または切除不能な悪性黒色腫の患者に対し,レラトリマブとニボルマブの固定用量の併用とニボルマブ単剤とで,4 週間隔で点滴静注した場合の比較を行った.主要エンドポイントは無増悪生存期間とし,独立中央判定委員会が盲検下で評価した.

結 果

無増悪生存期間の中央値は,レラトリマブ–ニボルマブ群では 10.1 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 6.4~15.7)であったのに対し,ニボルマブ群では 4.6 ヵ月(95% CI 3.4~5.6)であった(増悪または死亡のハザード比 0.75 [95% CI 0.62~0.92],log-rank 検定で P=0.006).12 ヵ月の時点での無増悪生存率は,レラトリマブ–ニボルマブ群では 47.7%(95% CI 41.8~53.2)であったのに対し,ニボルマブ群では 36.0%(95% CI 30.5~41.6)であった.重要なサブグループ全体で,無増悪生存期間はレラトリマブ–ニボルマブ群のほうがニボルマブ群よりも良好であった.グレード 3 または 4 の治療関連有害事象は,レラトリマブ–ニボルマブ群の 18.9%と,ニボルマブ群の 9.7%に発現した.

結 論

治療歴のない転移性または切除不能な悪性黒色腫の患者では,LAG-3 と PD-1 の 2 つの免疫チェックポイントを阻害することで,無増悪生存期間に関して,PD-1 のみを阻害するよりも大きな利益が得られた.レラトリマブとニボルマブの併用による新たな安全性への懸念は認められなかった.(ブリストル・マイヤーズスクイブ社から研究助成を受けた.RELATIVITY-047 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03470922)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 24 - 34. )