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October 27, 2022 Vol. 387 No. 17

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早産児における新生児期ドコサヘキサエン酸投与と 5 歳時の知能
Neonatal Docosahexaenoic Acid in Preterm Infants and Intelligence at 5 Years

J.F. Gould and Others

背景

ドコサヘキサエン酸(DHA)は神経組織の構成成分の一つである.脳内 DHA 量は妊娠後期に最大となるため,在胎 29 週未満で出生した乳児は,通常量の DHA が供給されていない.この欠乏が,その後の認知発達に及ぼす影響は十分に解明されていない.

方 法

気管支肺異形成症を予防するための新生児期 DHA 投与に関する試験に組み入れた児の,5 歳時の一般的知能を評価した.その試験では,在胎 29 週未満で出生した乳児を,経腸栄養開始後 3 日以内に,DHA 60 mg/kg 体重/日を含む乳剤を経腸投与する群と,対照乳剤を投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,最終月経後週齢 36 週または自宅退院のいずれか早い時点まで投与を行った.最初の試験に参加した 13 施設のうち,5 施設で組み入れられた小児に,修正年齢 5 歳の時点でウェクスラー式知能検査(WPPSI)による評価受診を案内した.主要転帰は全検査知能指数(FSIQ)スコアとした.副次的転帰は WPPSI の各項目などとした.

結 果

最初の試験では 1,273 例が無作為化を受けた.今回の追跡調査を行った施設で無作為化を受け,生存していた 656 例のうち,480 例(73%)の FSIQ スコアを入手しえた.内訳は DHA 群 241 例,対照群 239 例であった.欠測データを補完後,FSIQ スコアの平均値(±SD)は DHA 群 95.4±17.3,対照群 91.9±19.1 であった(補正後の差 3.45,95%信頼区間 0.38~6.53,P=0.03).副次的転帰の結果の大部分は,主要転帰の結果を支持しなかった.有害事象は 2 群で同程度であった.

結 論

在胎 29 週未満で出生し,気管支肺異形成症に対するDHA 投与の効果を検討する試験に組み入れられた乳児において,最終月経後週齢 36 週までの DHA 含有乳剤の経腸投与は,対照乳剤の投与と比較して,5 歳時の FSIQ スコアがわずかに高いことと関連した.(オーストラリア国立保健医療研究評議会,Nu-Mega Ingredients 社から研究助成を受けた.N3RO 試験:Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12612000503820)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1579 - 88. )