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November 17, 2022 Vol. 387 No. 20

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マリにおけるマラリアに対するモノクローナル抗体の安全性と有効性
Safety and Efficacy of a Monoclonal Antibody against Malaria in Mali

K. Kayentao and Others

背景

モノクローナル抗体 CIS43LS は,第 1 相臨床試験で,コントロール下での熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)感染に対する防御効果を示した.熱帯熱マラリア原虫感染が風土病となっている地域で,モノクローナル抗体により感染を予防できるかどうかは明らかにされていない.

方 法

マリの健康な成人を対象とした 2 部構成の第 2 相試験で,6 ヵ月のマラリアシーズン中の CIS43LS の単回点滴静注の安全性と,熱帯熱マラリア原虫感染に対する有効性を評価した.パート A では,漸増法により 3 用量の安全性を評価した.パート B では,参加者を CIS43LS を 10 mg/kg 体重投与する群,40 mg/kg 投与する群,プラセボを投与する群に(1:1:1 の割合で)無作為に割り付けた.主要有効性エンドポイントは,血液塗抹検査で最初に検出された熱帯熱マラリア原虫感染とし,生存時間(time-to-event)解析で評価した.検査は少なくとも 2 週に 1 回,24 週間行った.組入れ時に,可能性のある熱帯熱マラリア原虫感染を除去する目的で,全例にアルテメテル・ルメファントリンを投与した.

結 果

パート B では,330 例が無作為化され,各群に 110 例が割り付けられた.CIS43LS 40 mg/kg 群では,中等度の頭痛のリスクがプラセボ群の 3.3 倍であった.血液塗抹検査により,熱帯熱マラリア原虫感染は CIS43LS 10 mg/kg 群の 39 例(35.5%),CIS43LS 40 mg/kg 群の 20 例(18.2%),プラセボ群の 86 例(78.2%)に検出された.6 ヵ月の時点で,プラセボ群と比較した有効率([1-ハザード比]×100)は,CIS43LS 40 mg/kg 群で 88.2%(補正後の 95%信頼区間 [CI] 79.3~93.3,P<0.001),CIS43LS 10 mg/kg 群で 75.0%(補正後の 95% CI 61.0~84.0,P<0.001)であった.

結 論

マリにおいて,CIS43LS は 6 ヵ月のマラリアシーズン中に熱帯熱マラリア原虫感染に対する防御効果を示し,明らかな安全性の懸念は認められなかった.(米国国立アレルギー・感染症研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04329104)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1833 - 42. )