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December 22, 2022 Vol. 387 No. 25

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リファンピン耐性結核に対するすべて経口投与で行う 24 週間のレジメン
A 24-Week, All-Oral Regimen for Rifampin-Resistant Tuberculosis

B.-T. Nyang’wa and Others

背景

リファンピン(rifampin)耐性結核の患者には,現在のレジメンよりも有効で,投与期間が短く,許容できる副作用プロファイルの,すべて経口投与で行う治療レジメンが必要である.

方 法

リファンピン耐性結核の治療として,24 週間すべて経口投与で行う 3 つのレジメンの有効性と安全性を評価する,非盲検第 2・3 相多施設共同無作為化比較非劣性試験を行った.ベラルーシ,南アフリカ,ウズベキスタンで,リファンピン耐性肺結核を有する 15 歳以上の患者を登録した.試験のステージ 2 では,ベダキリン,プレトマニド(pretomanid),リネゾリド,モキシフロキサシン(BPaLM)を使用する 24 週間のレジメンと,9~20 ヵ月の標準治療レジメンの比較を行った.主要転帰は,無作為化後 72 週の時点における好ましくない状態(死亡,治療失敗,治療中止,追跡不能,結核再発の複合)とした.非劣性マージンは 12 パーセントポイントとした.

結 果

患者登録は早期に終了された.試験のステージ 2 では,intention-to-treat 集団として 145 例,修正 intention-to-treat 集団として 128 例,per-protocol 集団として 90 例の,計 301 例が評価可能であった.修正 intention-to-treat 解析では,主要転帰イベントは BPaLM 群の 11%と標準治療群の 48%に発生した(リスク差 -37 パーセントポイント,96.6%信頼区間 [CI] -53~-22).per-protocol 解析では,主要転帰イベントは BPaLM 群の 4%と標準治療群の 12%に発生した(リスク差 -9 パーセントポイント,96.6% CI -22~4).as-treated 集団では,グレード 3 以上の有害事象または重篤な有害事象の発現率は,BPaLM 群のほうが標準治療群よりも低かった(19% 対 59%).

結 論

リファンピン耐性肺結核の患者において,24 週間すべて経口投与で行うレジメンは,現在認められている標準治療と比較して非劣性であり,安全性プロファイルは優れていた.(国境なき医師団から研究助成を受けた.TB-PRACTECAL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02589782)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 2331 - 43. )