April 20, 2023 Vol. 388 No. 16
超早産児における脳酸素飽和度モニタリング
Cerebral Oximetry Monitoring in Extremely Preterm Infants
M.L. Hansen and Others
超早産児の治療に,脳酸素飽和度モニタリングが用いられることが増えている.しかし,その使用が臨床転帰を改善するというエビデンスは不足している.
17 ヵ国 70 施設で行った無作為化第 3 相試験で,生後 6 時間以内の超早産児(在胎 28 週未満)を,脳酸素飽和度モニタリングに基づく治療を生後 72 時間行う群と,通常の治療を行う群に割り付けた.主要転帰は,最終月経後週齢 36 週の時点での,死亡または脳超音波検査による重症脳損傷の複合とした.評価した重篤な有害事象は,死亡,重症脳損傷,気管支肺異形成症,未熟児網膜症,壊死性腸炎,遅発型敗血症であった.
1,601 例が無作為化され,1,579 例(98.6%)が主要転帰の評価を受けた.最終月経後週齢 36 週の時点で,死亡または重症脳損傷は,脳酸素飽和度測定群では 772 例中 272 例(35.2%)に発生したのに対し,通常治療群では 807 例中 274 例(34.0%)に発生した(脳酸素飽和度測定による相対リスク 1.03,95%信頼区間 0.90~1.18,P=0.64).重篤な有害事象の発現率に 2 群間で差はなかった.
超早産児において,生後 72 時間の脳酸素飽和度モニタリングに基づく治療は,通常の治療と比較して,最終月経後週齢 36 週の時点での死亡または重症脳損傷の発生率が低いこととは関連しなかった.(エルザス財団ほかから研究助成を受けた.SafeBoosC-III 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03770741)