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February 2, 2023 Vol. 388 No. 5

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小児における B 群髄膜炎菌ワクチン(4CMenB)の有効性
Effectiveness of a Meningococcal Group B Vaccine (4CMenB) in Children

J. Castilla and Others

背景

2015 年 9 月,スペインでは,4 成分から成る蛋白ベースの B 群髄膜炎菌ワクチン(4CMenB,ベクセロ [Bexsero])を個人で購入し,利用できるようになった.

方 法

小児の侵襲性髄膜炎菌感染症予防における 4CMenB の有効性を評価するため,全国規模の,個別にマッチさせた症例対照研究を行った.対象は,スペインで,2015 年 10 月 5 日~2019 年 10 月 6 日に,侵襲性髄膜炎菌感染症が検査で確認された,月齢 60 ヵ月未満の症例すべてとした.各症例を,生年月日と県に基づき,対照 4 例とマッチさせた.症例と対照の 4CMenB ワクチン接種状況を,多変量条件付きロジスティック回帰を用いて比較した.

結 果

症例 306 例(243 例 [79.4%] が B 群髄膜炎菌感染症)を,対照 1,224 例と比較した.症例の 35 例(11.4%)と対照の 298 例(24.3%)が,4CMenB の接種を 1 回以上受けていた.4CMenB の完全接種(製造業者の推奨に従い,接種を 2 回以上受けていることと定義)の有効性は,すべての血清群による侵襲性髄膜炎菌感染症に対して 76%(95%信頼区間 [CI] 57~87)であり,部分接種の有効性は 54%(95% CI 18~74)であった.完全接種の B 群髄膜炎菌感染症に対する有効性は 71%(95% CI 45~85)であった.4CMenB を 1 回以上接種している場合のワクチンの有効性は,B 群髄膜炎菌感染症に対して 64%(95% CI 41~78),B 群以外の血清群による髄膜炎菌感染症に対して 82%(95% CI 21~96)であった.遺伝子による髄膜炎菌抗原分類システム(gMATS)を用いた解析では,4CMenB でカバーされると期待された血清群 B 群の株が症例の 44 例で検出されたが,いずれも接種を受けていなかった.

結 論

4CMenB の完全接種は,5 歳未満の小児において,B 群,および B 群以外の血清群による侵襲性髄膜炎菌感染症の予防に有効であることが示された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 427 - 38. )