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October 5, 2023 Vol. 389 No. 14

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修正可能な危険因子が心血管疾患と死亡に及ぼすグローバルな影響
Global Effect of Modifiable Risk Factors on Cardiovascular Disease and Mortality

The Global Cardiovascular Risk Consortium

背景

5 つの修正可能な危険因子が,心血管疾患と全死因死亡に関連している.これらの危険因子の地域別・性別の保有率と,この 2 つの転帰に及ぼす影響を評価するための,個人レベルのデータを用いた研究は不足している.

方 法

「グローバル心血管リスクコンソーシアム」に参加中の,8 つの地理的地域の 34 ヵ国で行われた 112 のコホート研究の個人レベルのデータをプールし,調和させた.地理的地域,年齢,性別で層別化した Cox 回帰分析を用いて,5 つの危険因子(体格指数,収縮期血圧,非高比重リポ蛋白コレステロール,現在の喫煙,糖尿病)と,新規心血管疾患および全死因死亡との関連を検討した.心血管疾患の 10 年発生率と,10 年全死因死亡率における人口寄与危険割合を推定した.

結 果

参加者は 1,518,028 例(54.1%が女性),年齢中央値は 54.4 歳であった.5 つの修正可能な危険因子の保有率には,地域による差が認められた.中央値で 7.3 年(最長 47.3 年)の追跡期間中に発生した新規心血管疾患は 80,596 例,中央値で 8.7 年(最長 47.6 年)の追跡期間中に発生した死亡は 177,369 例であった.5 つの危険因子をすべて合わせると,心血管疾患の 10 年発生率における全世界での人口寄与危険割合は,女性 57.2%(95%信頼区間 [CI] 52.4~62.1),男性 52.6%(95% CI 49.0~56.1)であり,10 年全死因死亡率における全世界での人口寄与危険割合はそれぞれ 22.2%(95% CI 16.8~27.5),19.1%(95% CI 14.6~23.6)であった.

結 論

グローバルなコホートから調和させた個人レベルのデータから,新規心血管疾患については,女性症例の 57.2%,男性症例の 52.6%が 5 つの修正可能な危険因子に起因した可能性があり,全死因死亡については,女性の 22.2%,男性の 19.1%がそれらに起因した可能性があることが示された.(ドイツ心臓血管研究センター [DZHK] から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05466825)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 1273 - 85. )