The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

July 13, 2023 Vol. 389 No. 2

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

大細胞型 B 細胞リンパ腫にアキシカブタゲン シロルユーセルを投与した場合の生存期間
Survival with Axicabtagene Ciloleucel in Large B-Cell Lymphoma

J.R. Westin and Others

背景

この第 3 相試験の主要転帰の解析では,一次治療後早期に再発したか一次治療に抵抗性を示した大細胞型 B 細胞リンパ腫患者に,二次治療として,自家抗 CD19 キメラ抗原受容体 T 細胞療法であるアキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel)を投与した場合に,標準治療を行った場合よりも無イベント生存期間が有意に延長した.より長期の転帰に関するデータが必要とされた.

方 法

この試験では,早期再発または難治性大細胞型 B 細胞リンパ腫患者を,axi-cel を投与する群と,標準治療(化学免疫療法を 2 または 3 サイクル行い,化学免疫療法に反応した患者には大量化学療法と自家幹細胞移植を施行)を行う群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要転帰は無イベント生存とし,重要な副次的転帰は奏効と全生存とした.今回は,事前に規定した,最初の患者を無作為化してから 5 年の時点における全生存の解析結果を報告する.

結 果

359 例が無作為化され,axi-cel 群(180 例)と標準治療群(179 例)に割り付けられた.追跡期間中央値 47.2 ヵ月の時点で,死亡は axi-cel 群では 82 例,標準治療群では 95 例報告されていた.全生存期間の中央値は axi-cel 群では未到達,標準治療群では 31.1 ヵ月で,4 年全生存率はそれぞれ 54.6%,46.0%と推定された(死亡のハザード比 0.73,95%信頼区間 [CI] 0.54~0.98,層別化 log-rank 検定で両側 P=0.03).axi-cel による全生存の改善は intention-to-treat 集団で認められたが,この集団の 74%は一次治療に抵抗性を示し,その他の高リスクの特徴を有していた.試験担当医師が評価した無増悪生存期間の中央値は,axi-cel 群では 14.7 ヵ月,標準治療群では 3.7 ヵ月で,4 年無増悪生存率はそれぞれ 41.8%,24.4%と推定された(ハザード比 0.51,95% CI 0.38~0.67).無イベント生存に関する主要解析後は,新たな治療関連死は発生しなかった.

結 論

早期再発または難治性大細胞型 B 細胞リンパ腫患者の二次治療として axi-cel を投与した場合,標準治療を行った場合に比べて,追跡期間中央値 47.2 ヵ月の時点での全生存期間が有意に長くなった.(カイト社から研究助成を受けた.ZUMA-7 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03391466)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 148 - 57. )