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October 26, 2023 Vol. 389 No. 17

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結節性痒疹患者に対するネモリズマブの第 3 相試験
Phase 3 Trial of Nemolizumab in Patients with Prurigo Nodularis

S.G. Kwatra and Others

背景

結節性痒疹は,重度の瘙痒を伴う慢性,消耗性の神経免疫学的皮膚疾患である.インターロイキン-31 受容体α拮抗薬であるネモリズマブは,結節性痒疹の病態に重要な役割を果たす経路を下方制御する.

方 法

第 3 相二重盲検多施設共同無作為化試験で,中等度~重度の結節性痒疹を有する成人を,ネモリズマブを初回 60 mg,その後 30 mg または 60 mg(ベースライン時の体重に基づく)を 4 週ごとに 16 週間皮下注射する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に割り付けた.主要エンドポイントは,瘙痒の改善(最大の瘙痒の数値評価スケール [PP-NRS;0~10 で,数値が高いほど瘙痒が重度であることを示す] の 4 ポイント以上の低下)と,医師による全般的評価(IGA;0~4)での奏効(スコアが 0 [皮疹の消失] または 1 [ほぼ消失],かつベースラインから 16 週目までに 2 ポイント以上低下)とした.重要な副次的エンドポイントを 5 つ設定した.

結 果

274 例が無作為化され,183 例がネモリズマブ群,91 例がプラセボ群に割り付けられた.16 週の時点で,両方の主要エンドポイントに治療効果が認められ,瘙痒が改善した患者の割合は,ネモリズマブ群のほうがプラセボ群よりも高く(56.3% 対 20.9%,層別化を補正した差 37.4 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 26.3~48.5),IGA 奏効が得られた患者の割合もネモリズマブ群のほうが高かった(37.7% 対 11.0%,層別化を補正した差 28.5 パーセントポイント,95% CI 18.8~38.2)(両比較について P<0.001).5 つの重要な副次的エンドポイントにも利益が認められた:4 週の時点での瘙痒の改善(41.0% 対 7.7%),4 週の時点での PP-NRS スコア 2 未満(19.7% 対 2.2%),16 週の時点での PP-NRS スコア 2 未満(35.0% 対 7.7%),4 週の時点での睡眠障害の数値評価スケール(SD-NRS;0 [睡眠不足なし]~10 [まったく眠れない])の 4 ポイント以上の改善(37.2% 対 9.9%),16 週の時点での SD-NRS の 4 ポイント以上の改善(51.9% 対 20.9%)(すべての比較について P<0.001).個々の有害事象でとくに頻度が高かったのは,頭痛(6.6% 対 4.4%)とアトピー性皮膚炎(5.5% 対 0%)であった.

結 論

ネモリズマブ単剤療法により,結節性痒疹の徴候と症状が有意に減少した.(ガルデルマ社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04501679,EudraCT 登録番号 2019-004789-17)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 1579 - 89. )