November 9, 2023 Vol. 389 No. 19
進行尿路上皮癌に対するニボルマブとゲムシタビン–シスプラチンの併用
Nivolumab plus Gemcitabine–Cisplatin in Advanced Urothelial Carcinoma
M.S. van der Heijden and Others
切除不能または転移性尿路上皮癌患者に対するシスプラチンベースの一次化学療法に追加することで,全生存を改善した新規薬剤はない.
第 3 相国際共同非盲検試験で,未治療の切除不能または転移性尿路上皮癌患者を,ニボルマブ(360 mg)とゲムシタビン–シスプラチンの 3 週ごとの静脈内投与を最大 6 サイクル行い(ニボルマブ併用療法),その後ニボルマブ(480 mg)の 4 週ごとの投与を最長 2 年間行う群と,ゲムシタビン–シスプラチンのみの 3 週ごとの投与を最大 6 サイクル行う群に無作為に割り付けた.主要転帰は全生存と無増悪生存とした.客観的奏効と安全性を探索的転帰とした.
608 例が無作為化された(各群 304 例).追跡期間中央値 33.6 ヵ月の時点で,全生存期間は,ニボルマブ併用療法群のほうがゲムシタビン–シスプラチン単独群よりも長く(死亡のハザード比 0.78,95%信頼区間 [CI] 0.63~0.96,P=0.02),全生存期間の中央値はニボルマブ併用療法群で 21.7 ヵ月(95% CI 18.6~26.4)であったのに対し,ゲムシタビン–シスプラチン単独群では 18.9 ヵ月(95% CI 14.7~22.4)であった.無増悪生存期間も,ニボルマブ併用療法群のほうがゲムシタビン–シスプラチン単独群よりも長かった(進行または死亡のハザード比 0.72,95% CI 0.59~0.88,P=0.001).無増悪生存期間の中央値はそれぞれ 7.9 ヵ月と 7.6 ヵ月であった.12 ヵ月無増悪生存率はそれぞれ 34.2%と 21.8%であった.客観的全奏効割合はニボルマブ併用療法群 57.6%(完全奏効 21.7%),ゲムシタビン–シスプラチン単独群 43.1%(完全奏効 11.8%)であった.完全奏効期間の中央値は,ニボルマブ併用療法群 37.1 ヵ月,ゲムシタビン–シスプラチン単独群 13.2 ヵ月であった.グレード 3 以上の有害事象は,それぞれ 61.8%と 51.7%に発現した.
未治療の進行尿路上皮癌患者に対するニボルマブとゲムシタビン–シスプラチンの併用療法により,ゲムシタビン–シスプラチン単独と比較して転帰が有意に改善した.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社,小野薬品工業社から研究助成を受けた.CheckMate 901 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03036098)