The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

April 11, 2024 Vol. 390 No. 14

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

脳内出血に対する早期低侵襲除去に関する試験
Trial of Early Minimally Invasive Removal of Intracerebral Hemorrhage

G. Pradilla and Others

背景

テント上脳内出血の外科的除去の試験は,多くの場合,機能への効果がないことが示されている.早期の低侵襲外科的除去により,内科的管理よりも良好な転帰が得られるかどうかは不明である.

方 法

急性期脳内出血患者を対象とした多施設共同無作為化試験で,血腫の外科的除去と内科的管理とを比較評価した.脳葉出血または大脳基底核前部出血をきたし,血腫体積が 30~80 mL であった患者を,最終健常確認時刻から 24 時間以内に,血腫の低侵襲外科的除去+ガイドラインに基づく内科的管理を行う群(手術群)と,ガイドラインに基づく内科的管理のみを行う群(対照群)に 1:1 の割合で割り付けた.主要有効性エンドポイントは,180 日の時点での効用値で重み付けした修正ランキンスケールスコア(0~1 で,数値が高いほど転帰が良好であることを示す.評価は患者が行う)の平均とし,優越性の事後確率の閾値を 0.975 以上と事前に規定した.出血部位に基づく登録基準の変更規則を設定した.主要安全性エンドポイントは,登録後 30 日以内の死亡とした.

結 果

300 例が登録された.30.7%は大脳基底核前部出血,69.3%は脳葉出血であった.175 例を登録後,変更規則が発動され,脳葉出血患者のみが登録された.180 日の時点での効用値で重み付けした修正ランキンスケールスコアの平均は,手術群では 0.458,対照群では 0.374 であった(差 0.084,95%ベイズ信用区間 0.005~0.163,手術の優越性の事後確率 0.981).群間差の平均は,脳葉出血患者では 0.127(95%ベイズ信用区間 0.035~0.219),大脳基底核前部出血患者では -0.013(95%ベイズ信用区間 -0.147~0.116)であった.30 日目までに死亡した患者の割合は,手術群では 9.3%,対照群では 18.0%であった.手術群の 5 例(3.3%)に,術後の再出血と神経症状の悪化が認められた.

結 論

急性期脳内出血後 24 時間以内に手術が施行可能であった患者に低侵襲血腫除去術を行った場合,ガイドラインに基づく内科的管理を行った場合と比較して,180 日の時点での機能的転帰が良好であった.脳葉出血への介入が手術の効果に寄与していると思われた.(ニコ社から研究助成を受けた.ENRICH 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02880878)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 1277 - 89. )